思考

【初心者向け】分析の基本的な考え方

こんにちは!

今回は、分析の基本的な考え方についてご紹介します。

分析という言葉はよく聞きますが、

昔の私

分析ってどうやればいいか、ピンとこないなー

と感じている昔の私のような人は多いと思います。

そんな私もコンサル会社に転職し、壁に当たりながらも「分析ってこんな感じかなぁ」というのがわかってきました。

ぜひご参考にしていただければ幸いです。

分析とは

分析には2つの要素が必要だと私は思っています。

分析の1つ目の要素

1つ目は、これは皆が言っていることですが、分析とは「比較すること」です

ある人

太郎くんの身長は180cmだ!

というのは単なる事実ですが、

ある人

男子の平均身長が170cmだ。

一方、太郎くんの身長は180cmだ。

太郎くんは「高身長」だ。

といった感じで、比較すると解釈ができるようになります。

つまり、比較をすることで、事実に意味を持たせることができるようになります。
これが分析の基本です。

分析の2つ目の要素

では、「比較をすること」は全て分析なのでしょうか?
以下の場面を考えてみてください。

あなたは飲み会の幹事です。
参加者は3人で、中華屋に予約の連絡をしたところ、

中華店員

3人の予約ですね。承りました!

当日は4人テーブルにご案内します。

との回答がありました。

当日、参加者の一人から

参加者

太郎が飲み会に参加したいって言ってるんだけど、大丈夫かな?


と連絡があり、あなたは

あなた

4人テーブルで予約してるから、1人なら大丈夫だよ!

と返答しました。

この場面でのあなたの「4人テーブルで予約しているから、1人なら大丈夫だよ」という発言は、分析を根拠としたものです。

つまり、あなたは、

  • 元々飲み会の参加者は3人
  • 飲み屋では4人テーブルを使える

という二つの事実の比較から、「急遽1人が増えても大丈夫」という意味合いを抽出したことになります。

ちなみに、ここでもし

あなた

「今回のお店は中華」

だが、

「前回の飲み会は和食」だ!

と比較したらどうでしょうか? 分析と言えるでしょうか?

あなた

え?

飲み会の人数の話だったのに、なんでお店が中華か和食かという話になるの?

唐突すぎて意味がわからない…

と思っている人と思いますが、まさにその考えは正しいです。

つまり、「比較したら全て分析になる」ということはなく、「文脈に沿った比較が分析になる」ということになります。

すなわち、「目的」が分析に必要な要素の2つ目です。

上記の飲み会の話を聞くと当たり前に感じると思いますが、仕事においてこの ”目的を無視した比較”をしてしまう人はめちゃめちゃ多いです。

例えば、あなたの組織では、「実績値を共有するだけの定例会議」はありませんか?

そこで報告されている数字は、全て目的を持って取得されているものですか?

多分、目的もないまま取得している数字がかなりあると思います。

この「目的を考えずに比較をしてしまう」は、若手コンサルのあるあるだと思います。

上司に、

上司

このデータを使った分析お願いね〜

と言われた時に、

若手

分析とは比較だ!

たくさんグラフを作って分析するぞ!

と考え、色々な数字のグラフを作って比較をします。

そして上司に確認してもらった際に、

上司

で?

色々グラフを作ってもらったのはわかったけどさ…

分析結果は、一言で言うと何なの?

若手

…(何も答えられず)

となってしまうパターンです。
私も何回も経験があります。

『統計学が最強の学問である』という名著があります。

その中でも以下のようなやりとりの話が出てきます。

企業幹部

ビッグデータの時代なので、ITシステムを導入したんだよ。

社内の大量のデータを分析して、何か分かれば良いんだが。

筆者

え!?

「何が分かるか」が分からないのに、なんでITシステムを導入したんですか?

企業幹部

皆さんは

  • この分析の目的はなんなのか?
  • 目的に照らした時、どの事実を比較したら”分析”と呼べるのか?

は常に念頭に置くようにしましょう!

分析のパターン

「分析 = 目的に適した比較」と前述しました。
ここでは「比較にはどんなバリエーションがあるか」、つまり、分析のパターンをご紹介します。

分析のパターンは以下の3つと考えるといいと思います。

  1. (単純な)比較
  2. 分類
  3. 予測

厳密にいうと、「分類」も「予測」も比較の一種だと思いますが、作業としてやることがあまりに異なるので、分けて理解した方が実務上いいと思います。

分析には、定量分析と定性分析という分類もあります。

定量分析は数字を用いた分析です。グラフなどをイメージするといいでしょう。

定性分析は数字を用いない分析です。

インタビューで様々な人の意見を聞いたり、オシャレだと感じるWebサイトのUIを選んでもらったりすることが該当します。

では、この3パターンの詳細をそれぞれ見ていきましょう。

(単純な)比較

グラフで数字を比較したり、定性情報を比較する分析です。

具体例を見ていきましょう。

<数値の比較>
太郎くんの身長が180cmで、平均的な男性の身長は170cmの時、「太郎くんは身長が高い」と言える。

<構成比>
お小遣いの使途のうち、60%がお菓子代。
だから、貯金を阻む最大の障壁は、お菓子代だ。

<視覚情報・画像・イラストの比較>

左のサンマは痩せ細っているが、右のサンマは丸々太っている。
だから、同じ値段なら、右のサンマを買うべきだ。

<構成要素の比較>
この部屋はモノトーンなインテリアで統一されているのに、ベッドだけ色が浮いている。
だから、この部屋がオシャレじゃないのは、ベッドのせいだ。

<理由・原因の比較>
失敗しているラーメン屋は、全員が美味しいと感じるラーメンを作ろうとしている。
成功しているラーメン屋は、特定層にだけ支持されればいいと思っている。
ラーメンで成功するためには、ターゲットの絞り込みが必要だ。

分類

特徴などの差異に基づき、各要素をカテゴリー分けする分析です。

具体例を見ていきましょう。

<グルーピング>
会社で定例会議が乱立している。
会議を目的ごとにグルーピングし、「情報共有の会議」に該当したものは廃止してメールで情報共有するようにする。

<振り分け・ピックアップ>
アプリで不具合が多発している。
影響を受けているユーザー数が多い10個の不具合にまず対応することとし、ほかは後回しにする。

予測

事実や仮定を積み上げて将来をシミュレーションする分析です。

具体例を見ていきましょう。

<定量の予測>
地域の人口は毎年数千人減っていっているし、コーヒー豆も毎年数十円値上がりしている。
だから、あのカフェの3年後の利益額は60%まで落ち込むだろう。

<定性の予測>
ジョブズの自伝にハマった人は起業にチャレンジする傾向がある。
太郎くんは今ジョブズの自伝にハマっているので、将来的に起業にチャレンジするのではないか。

参考:分析に関するほかの記事

この記事の他にも、いくつか分析に関する記事を書いておりますので、そちらも参考にしていただければ嬉しいです!

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おわりに

以上です。

いかがでしたでしょうか? 少しでもお仕事などのご参考になれば幸いです。