こんにちは!
先日、分析全般の基本的な考え方について記事を書きました。
今回は各論という形で、分析の中でも定量分析の基本的な考え方についてご紹介します。
では行きましょう!
定量分析とは
先日の分析全般の記事でご紹介したとおり、分析とは「目的に適した比較」のことです。
そのうち、数字を用いる分析が「定量分析」です。
つまり、定量分析とは「目的に適した数値の比較」ということになります。
昔の私のように、
定量分析とは、グラフを作ることだ!
と考えている人も多いと思います。
ただ、定量分析は「目的に適した数値の比較」なので、ぶっちゃけて言うと適切に数字が比較されていれば定量分析であって、グラフである必要性はないです。
例えば、以下のような、「マトリクス形式」や「データベース形式」で数字が表でまとまっていても定量分析ですし…
以下のような、図形と数字を組み合わせた比較も定量分析と十分言えます。
また、究極的に言うと、
「飲み会の参加者は3人だが、予約した店では4人がけテーブルを使えるから、飲み会に急遽1人追加となっても対応可能」
のように、文章で数字を比較しているものも定量分析です。
ただし、数字を表で並べているだけだと分かりづらい/想像しづらいので、”検討の補助線”としてグラフを作成してビジュアルで表現することが多いです。
つまり、グラフは視覚的手法でしかないので、実際に定量分析をする場合は、
- 「数字の取得」や、「取得した数字(の比較)からの示唆出し」に、優先的に時間を割き、
- グラフ作成は可能な限り効率的に行う(時間がなければ、最悪、グラフ化を諦める)
という形で進めるのが基本になります。
基本的なグラフのパターン
前述の通り、グラフ化は定量分析の本質ではないですが、グラフのパターンを理解しておくことは重要です。
基本的なグラフのパターンを見ておくことで、定量分析を具体的にイメージすることができるようになります。
では順番に行きましょう!
棒グラフ
一番オーソドックスな定量分析のグラフです。
主にボリュームの大小を比較するために作成されます。
以下のように単純に各数値を比較するものものありますし
以下のように複数の要素を同時に比較するものもあります。
構成比(帯グラフ・円グラフ)
構成比を見るために作成されるグラフです。
比率は、帯グラフで表現することもできますし、円グラフで表現することもあります。
棒グラフで表現することも多いですね。
折れ線グラフ
数字の連続的変化を表現するときは、折れ線グラフを使うことが多いです。
ちなみに、
- 棒グラフは四角形の面積で表現するので、「売上」などの積み上げられた数字を扱うときに適している一方、
- 折れ線グラフは点の軌跡で表現するので、値段などの「1点で決まる数値」を扱うときに適している
とも言われています。
ただ、値段などを棒グラフで表現したところで、別に間違いではないので、あまり神経質になる必要はありません。
散布図
X軸とY軸にデータをプロットしたものです。
主に、傾向(相関関係)やバラツキを確認するために作成されます。
Excelで作成すると、近似直線などを簡単に表示できるので、非常に便利です。
実践的なグラフの作り方
これまで基本的なグラフパターンを紹介してきました。
あとは、これらを組み合わせたり、図形やメモを追加したりすると、実務に耐え得るグラフが作成できます。
そちらのイメージもいくつかご紹介します。
グラフに図形やメモを追加
グラフの上から、その解釈などを追加することで、グッと検討が深まります。
複数の解釈ができるときは、「Aという解釈、Bという解釈、どちらを採用すべきか」みたいに両方書くことで、議論が深まったり、次にやるべきリサーチが決まったりします。
例えば、散布図にプロットされたデータをグルーピングすることで、データ間の関係性を表現できます。
複数のグラフを組み合わせる
グラフを複数入れることで、より高度な分析をすることができます。
オススメの書籍
定量分析に関してオススメの書籍をご紹介します。
とりあえずこの2冊を読むと、分析についての理解が深まるかと。
『意思決定のための「分析の技術」』
『IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ』
おわりに
いかがでしたでしょうか?
初心者の方にとって、仕事の参考になれば幸いです!