こんにちは!
今回はフェルミ推定の具体例についてご紹介します。
お題は「カメラモジュールの市場規模は?」です。
いつもはBtoCのビジネスばかり取り上げてるので、今回はBtoBを取り上げてみました。
今回も、制限時間15分で私が考えた回答を文字起こししていきます。
フェルミ推定については、以前記事を書きましたので、ご参考にしていただければ幸いです。
では、早速いきましょう!
イメージを膨らませる
まずは、いつもの通り、「妄想」してイメージを膨らませましょう。
今回のお題は「カメラモジュールの市場規模は?」ですね。
とりあえず、
カメラモジュールってどういうものだろう?
と考えると、
- 製品の中に組み込まれるカメラパーツであり、
- デジカメなどの完成品としてのカメラではない
といった感じになると思います。
また、
カメラモジュールは、どういった製品に組み込まれているだろう?
と考えると、
- スマホ
- PC
- タブレット端末
- 防犯カメラ
- ドライブレコーダー
- ATM
- インターホン
とかでしょうか。
このうち、「スマホ」、「PC」、「タブレット端末」を中心に考えれば良いと思います。
スマホは年に1500万台ほど販売されており、前面と背面に1つずつカメラが設置されています。
一方、防犯カメラなどについては、
- 全企業数が350万社ほどであり、
- 全企業が防犯カメラを設置しているわけでもなく、
- 毎年買い換えているわけでもない
と考えると、かなり規模が小さくなると思います。
このため、規模の大きな「スマホ」、「PC」、「タブレット端末」を中心に考えればいいと思います。
イメージを膨らませるのはこれくらいにして、具体的な検討に入っていきましょう。
では立式
では、イメージも膨らませましたし、本格的な検討に入っていきましょう。
式としては、
カメラモジュールの市場規模 = 年間販売台数 × 平均単価@1個
となると思います。
「年間販売台数」はさらに分解しましょう。
分解した式は、
年間販売台数 = 最終製品の年間販売台数 × 搭載カメラ数@1最終製品
となると思います。
最終的には、
カメラモジュールの市場規模 = 最終製品の年間販売台数 × 搭載カメラ数@1最終製品 × 平均単価@1個
という式になりますね。
以降はこの式をもとに検討していきましょう。
フェルミ推定の計算式については、以前記事を書きましたので、ご参考にしていただければ幸いです。
数字を置こう
カメラモジュールの市場規模 = 最終製品の年間販売台数 × 搭載カメラ数@1最終製品 × 平均単価@1個
をベースに、数字を置いていきましょう。
「最終製品の年間販売台数」については、
- スマホ:1500万台
- PC:1000万台
- タブレット端末:タブレット端末の年間販売台数は把握していませんが、PCよりは少ないでしょうから、500万台ほどでしょうか
といった感じかと思います。
「搭載カメラ数@1最終製品」については、
- スマホ:前面と裏面に1つずつカメラがついているので、2つ
- PC:前面に1つ
- タブレット端末:前面と裏面に1つずつカメラがついているので、2つ
といった感じかと思います。
カメラモジュールの「平均単価@1個」については、スマホの最終価格が10万円ほどですので、そこから逆算して検討しましょう。
スマホ1台の利益率が20%、販管費などの材料費以外のコストが30%と考えると、1台あたりの材料費は5万円ほどになります。
そして、スマホのパーツの大きなところを考えると、
- CPU
- ストレージ
- バッテリー
- カメラ
- マイク・スピーカー
- 液晶画面
- その他
といったところでしょう。
単純計算で各パーツが材料費の15%ずつを占めているので、カメラモジュールの占めるコストは7500円ほどかと思います。
さらに、スマホにはカメラが前面と裏面の2つ搭載されているので、
カメラモジュール1個あたりの単価=4000円弱
といったところだと思います。
フェルミ推定の数字の置き方については、以前記事を書きましたので、ご参考にしていただければ幸いです。
また、フェルミ推定に当たり、覚えておいた方がいい数字についても以前記事を書きましたので、ご参考にしていただければ幸いです。
計算すると?
上記の計算式をまとめて計算すると、
- スマホに搭載されているカメラモジュール:1200億円
- PCに搭載されているカメラモジュール:400億円
- タブレットに搭載されているカメラモジュール:400億円
- カメラモジュールの市場規模合計:2000億円
となりました。
計算前には、
数千億円台の後半くらいの規模感かなぁ
と思っていたので、ちょっと小さな数字が算出された印象です。
調べたところ、カメラモジュールの単価として1万円を超えてくるようなので、そこを修正すれば数千億円台後半に乗ってくると思います。
計算のテクニックについては、以前記事を書きましたので、ご参考にしていただければ幸いです。
オススメの書籍
今回の記事に関連したオススメの書籍は以下の通りです。
『フェルミ推定の技術』
おわりに
いかがでしたでしょうか?
お仕事の参考になれば幸いです!