こんにちは!
今回は「理屈じゃない人たちへの対応方法」をご紹介します。
公務員になると、
- 窓口に理不尽な理由で怒鳴り込んでくる人
- 政策上どうしても立ち退きをお願いしなければいけないのに、応じてくれない人
など、様々な人に対応しなければいけません。
今回はそういった人々への対応方法についてご紹介します。
一般的な交渉については先日記事を書きましたので、ご参考にしていただければ。

では、早速行きましょう!
はじめに
今回は「理屈じゃない人」をテーマにしていますが、ここでいう「理屈じゃない人」とは、論理・損得では動かない人のことを指します。
世の中には色々な人がいて、損得・論理を重視する人もいれば、感情を重視する人もいて、(自分の中での)道徳・倫理を重視する人もいます。
ここで注意しなければいけないことは、理屈じゃないこと自体は、違法・迷惑行為でなければ、別に悪いことではないことも多いということです。
例えば、ダムのために立ち退きを行政にお願いされて、そのための補填金も十分出すと約束されて、何よりそれが町全体のためになるとはわかっていても、
生まれ育った家を出るのは悲しい…
と感じてしまうものです。
窓口で怒っている人も、「そりゃあ腹が立つよな」と同情するパターンもありますし、一概に悪いとは言えません。
例えば、熊が出たので市役所が猟友会に依頼を出し、警察の立ち会いの下でライフル銃で熊を駆除したハンターが、
違法な発砲だ!
など言われて、鳥獣保護法違反の疑いで書類送検され、その後ライフル銃の所持許可を取り消される、といった行政から訳わかんない理不尽なことをされた市民もいます。
もちろん、
- 立ち退きを求められ、それ利用して高額の金を手に入れようとしたり、怒って公務員に暴行したりする人
- 公務員側に瑕疵がないのに、自分の都合で窓口でキレまくって、行政事務を停滞させる人
とかは良くないです。
ですが、そういった違法・迷惑行為をしていなければ、「理屈じゃない人」であること自体は、別に悪いことではありません。
一方で、公務員側としては、公共の利益のために、そういった方々を説得しなければいけない時があります。
今回は、そういった方々への説得のポイントについてご紹介します。
論理ではなく感情で勝負
論理・損得では動かない「理屈じゃない人」を説得するには、一般的なロジックでお願いしても当然ダメで、感情に訴えかける必要があります。
人間は、
- 好意を持っている人のお願いは、可能な限り叶えてあげたい
- 嫌いな人のお願いは、癪だから無下にしたい(何なら自分が多少の損をしても構わない)
と思うものです。
「理屈じゃない人」を説得するには、自分に好意を持ってもらい、
あなたがそう言うなら…
と言ってもらう必要があります。
人間は、雑談を繰り返していると自然と仲良くなりますので、可能な限り顔を合わせた方がいいでしょう。
食事を共にすると更に仲良くなりやすいので、お菓子とかを持って行って、おやつとして一緒に食べてもいいと思います。
また、意外なところにスイッチがあったりします。
例えば、礼儀・伝統文化に非常に厳しい人は一定数います。
公務員時代の先輩から聞いた話になりますが、一緒に食事を取っても全く心を開いてくれない人がいたそうです。
とても気難しく、こちらから話を振っても反応が芳しくありません。
しかし、その人との歓談会の終わりに、
食べ物を残すのはもったいない!
と先輩が刺身のツマをばくばく食べてると、
食べものを粗末にしないのは感心だな!
と褒めてくれて、そこから心を開いてくれるようになったそうです。
他にも年賀状を送ると喜んでくれる人もいますし、意外なことで親密になることが可能です。
さらに、一目置かれるには、”小さなこと” で相手に勝つことが効果的だったりします。
例えば、懇親会で一緒に酒を飲んだ次の日の早朝に、
昨日はありがとうございました!
と、先手を打って相手よりも先にお礼を言いに行ったりします。
大量にお酒を飲んだ次の日に、遅刻しないどころか通常より早く現場に出勤し、掃除をしておくといった手もあるでしょう。
そうすると、こんな小さなことでも相手は、
凄いやつじゃないか!
と思ってくれて、一気に仲良くなれたります。
相手なりの論理に沿う
一見理屈じゃない人たちも、頭の中には自分なりのロジックを必ず持っています。
なので、
常識的じゃない!
と非難せずに、そのロジックを尊重し、それに沿ってこちらの行動を変えましょう。
例えば、公務員として土地関係の仕事をしていると、
先祖代々の土地だから、絶対手放さない。
他人にも貸したくない。
と主張する人は絶対います。
その土地を全く活用しておらず、固定資産税などで費用だけが出ている状態でもです。
草刈りをしておらず、害虫が湧いて、周りの田んぼや畑に悪影響が出ている土地も時々あります。
そういう場合に、
でも持ってるだけで損ですよね?
誰かに貸した方が合理的じゃないですか?
と一方的なことを言うと、反感を買われるだけです。
そうではなく、相手の理屈に沿って提案しましょう。
「先祖代々の土地だから」という人は、「一族を大事にしたい」と考えている人です。
なので、
先祖代々の土地を他人に使わせたくない気持ちはわかります。
ただ、一族という観点だと、一番大事なのはお孫さんじゃないでしょうか?
土地をリースしたら、お金が入ってきて、教育費に回せます。
お孫さんのために土地を活用するのであれば、先祖の方々も納得するのではないでしょうか?
と「一族のため」という文脈で話すと、心を開いてくれたりします。
何度も「怒るスイッチ」を入れることはできない
これはどちらかというと窓口での対応方法になりますが、怒ってる人がいたら、何度か怒りを中断させるのが効果的です。
怒ること自体が体力のいる行為であり、何度も「怒るスイッチ」を入れることはできないからです。
例えば、怒っている人を一旦別室に通すと、別室まで移動し改めて担当者が出てくるまでの間は、一瞬怒りが収まります。
もう一度怒るのにもの凄いエネルギーが必要なので、少し時間を置いて一旦怒りが収まると、落ち着く場合があります。
これは、コールセンターでよく使われる手法のようで、コールセンターに怒りの電話がきた場合、「電話を折り返します」と言って、時間をあえて空けることがままあるようです。
また、対応する担当者が何度か入れ替わるというのも手だと思います。
新しい人が来たら、一度怒りはリセットされるので、対応者が変わるたびに怒りのスイッチを入れる必要が出てきて、非常に体力を使うことになります。
もちろん、本当にこちらが悪ければ、しっかり誠実に相手の意見を聞き、丁寧に謝るのが一番です。
一方で、「公務員だから」と憂さ晴らしのためにはじめから怒りに来てる人が一定数いるのも事実です。
そういった人との対応を気に病んで精神を崩すことがないように、クレーム対応の本などを読んで引き出しを増やしておくことをオススメします。
知識を増やして引き出しを増やしておく、自然とストレスが減ってくるので。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
お仕事の参考になれば幸いです!