ケース問題

ケース問題の具体例:年賀状の売上を1.5倍にするには?

こんにちは!

今回はケース問題の具体例についてご紹介します。

お題は「年賀状の売上を1.5倍にするには?」です。
今回も、制限時間10分で私が考えた回答を文字起こししていきます。

前回の「年賀状の市場規模」のフェルミ推定についてはこちらの記事をご覧ください。

フェルミ推定の具体例:年賀状の市場規模は? こんにちは! 今回はフェルミ推定の具体例についてご紹介します。 お題は「年賀状の市場規模は?」です。今回も、制限時間10分...

では、早速いきましょう!

イメージを膨らませる

まずは、いつもの通り、「妄想」してイメージを膨らませましょう

今回のお題は「年賀状の売上を1.5倍にするには?」ですね。

とりあえず、

ある人

年賀状と聞いて、どんなことを思いつくかな?

と考え、どんどん挙げていくと、

  • 年賀状はほとんどもらってないし、送ってもないな
  • 公務員時代は結構送ってたなぁ
  • お年玉付き年賀はがきとかあるな
  • 企業から年賀状が送られてくることもあるな

といったことが思いつきました。

イメージを膨らませるのはこれくらいにして、具体的な検討に入っていきましょう。

問題を切り分ける

では、

ある人

売上を上げるためには、どこに注力すればいいか?

と考え、注力すべき部分とそうでない部分を切り分けましょう

年賀状(=郵便事業)は、日本郵便の独占事業なので、ほかの企業からシェアを奪うということはできません。

つまり、

  • すでに年賀状をやっている人たちに、もっと年賀状を買ってもらうか
  • 年賀状をやっていない人たちに、新たに年賀状をやってもらうか

の2つしか方向性がありませんが、どちらがいいでしょうか?

個人的には、「年賀状をやっていない人たちに、新たに年賀状をやってもらうか」に注力すべきと思います。

というのも、すでに年賀状をやっている人たちは、必要な人たちに送っているはずなので、これ以上買ってもらう余地は少ないと思います。

それに比べると、デジタル化が進み、コロナのせいで対面で人と会えなくなったことで、人とのコミュニケーションを悩んでいる人は一定数いると思いますし、そういった人たちに年賀状という(古くて)新しいコミュニケーションを提供する方が簡単だと思います。

では、「年賀状をやっていない人たちに、新たに年賀状をやってもらう」として、具体的にどのユーザーを取りに行くべきでしょうか?

切り口としては、

  • 学生
  • 社会人
  • シニア

など様々なものがありますが、「社会人」をターゲットとするのが良いんじゃないかと思います。

シニアはすでに年賀状の文化がありますし、学生はお小遣いという予算制約があるため難しいでしょう。

社会人はお金も持ってますし、狙っていくべきかと思います。

さらに、年賀状をやるまでのプロセスを考えると、

  1. 年賀状に興味を持つか否か
  2. 年賀状を買うか否か
  3. 買う数量が多いか否か

という条件分岐があることになりますが、特に「年賀状を買うか否か」にフォーカスを当てた方がいいと思います。

興味を持つかどうかをコントロールするのは難しいでしょうし、年賀状を購入する数量は知り合いの数に応じて自動的に決まってくると思うからです。

このため以降は、「年賀状をやっていない人たちに、新たに年賀状をやってもらう」ために、「社会人」をターゲットにして検討していきます。

課題&打ち手を考える

では、「社会人」をターゲットにして「年賀状をやっていない人たちに、新たに年賀状をやってもらう」ために、日本郵便は何をすればいいでしょうか?

社会人の年賀状に対する不満などを考え、その課題を起点に、打ち手を考えていきましょう。

ケース問題の打ち手の考え方については、以前記事を書きましたので、ご参考にしていただければ幸いです。

【初心者向け】ケース問題での打ち手の考え方・出し方 こんにちは! これまで何個かケース問題の具体例の記事を出してきましたが、今回はケース問題での打ち手の考え方をご紹介します。 ...

では、それぞれ課題を見ていきましょう。

年賀状をもらうと年賀状を送り返さなければいけない気持ちになる

年賀状を購入してもらうきっかけを考えるにあたり、

ある人

どういう時に年賀状を送ろうと思うか?

と考えると、「年賀状をもらうと年賀状をやらなければいけない気持ちになる」というものがあると思います。

全く年賀状には興味がない人も、人間関係には興味があります。

年賀状をもらったら、

ある人

年賀状を返さないと、失礼に当たるのでは…

と思ってしまうものです。

なので、この心理を利用しましょう。

例えば、

日本郵便

年賀状を一度経験してみてください!

と、各家庭に年賀ハガキを無料で配布するのはどうでしょうか?

その際は、年賀ハガキの発信人欄にあらかじめその家庭の住所を記載しておけば、

  • 年賀状作成の手間が省けて年賀状のハードルが下がりますし、
  • 金券ショップなどに持ち込まれるリスクを消せる

というメリットがあると思います。

こういった手段で、とにかく「年賀状を書いてない人に、年賀状が届く可能性」を上げることで、年賀状をやり始める人が増えるのではないでしょうか。

年賀状は労力がかかりすぎる

年賀状をする上での不満として、

ある人

幾ら何でも、年賀状は労力がかかりすぎる…

というものがあると思います。

うちの祖父母なんて、100枚近くある年賀状を何日もかけて手書きしてましたからね…

年賀状作成で一番時間がかかるのは、宛名書きの部分でしょう。

すでに絵柄付きでそのまま投函できるハガキは売っていますが、宛名を書かなければいけないので、あまり省力ツールになりません。

年賀状をやるハードルを下げるため、宛名書きの労力を減らすサービスを日本郵便がやるべきでしょう。

例えば、「去年受け取った年賀状を持ち込めば、その出し手を宛名に印字した年賀ハガキを発行してくれる」といったサービスが考えられるかもしれません。

宛名リストを作ること自体が大変ですが、去年受け取った年賀状を持ち込むだけであれば、非常に楽になります。

おわりに

いかがでしたでしょうか?

お仕事の参考になれば幸いです!