こんにちは!
今回はフェルミ推定の具体例をご紹介します!
お題は「日本のカフェの市場規模は?」です。
今回も制限時間10分でできるレベルを検討してみます。
フェルミ推定のチュートリアルとしてよく使われるお題だと思うので、
フェルミ推定のイメージが湧かないんだよなぁ
と感じている方はぜひご参考にしていただければと思います!
フェルミ推定については以前記事を書きましたので、ご参考にしていただければ幸いです。
まずは具体的なイメージを膨らませる
いきなり計算を始めず、一人で「妄想」して、具体的なイメージを膨らませることがかなり重要です!
緻密に考える必要は全くありません。
とりあえず、「カフェでイメージすることって何かな〜」と徒然なるままに数秒「妄想する」というステップを挟むことがとにかく大事です。
では、とりあえず、
カフェでイメージすることって何かな〜
そもそもカフェってなんだろ?
コーヒーを売ってるところってどこがあるだろ?
と考えると、カフェのほか、
- マクドナルド
- セブンイレブン
- イオンのフードコート
とかでも売ってることが思いつきます。
では、今回の計算ではどこまでの範囲を考えるべきでしょうか?
今回はあくまでフェルミ推定の練習なので、オーソドックスな範囲でいいでしょう。
なので、一般的なカフェの範囲で計算することとし、マクドナルドやコンビニは含まないことにしましょう。
ここら辺を入れ出したら、ファミレスとかも範囲に入ってくるでしょうし、あまりに業態が違うので。
大事なのは、「妄想」で良いので、
典型的なカフェ以外にも計算対象になり得るものはないかな?
と一回考えるフェーズを入れることです。
1回考えておくと、ディスカッション相手から、
そもそも、どんな前提を置いたの?
と聞かれた時に議論できるようになります。
さぁ立式
立式は複数案を考えて、どっちが良いかを考えることが重要です。
- 案1:カフェの市場規模 = カフェの店数 × 一店あたりの年間売上高
- 案2:カフェの市場規模 = カフェに通う人の数 × 一人あたりの年間購入額
案1は供給側からのアプローチ、案2は需要側からのアプローチですね。
この手の選択肢はよくあるんですが、大抵は供給側からのアプローチを取った方が無難だったりします。
案2にトライしていただければわかりますが、リアリティのある数字を置くのがかなり難しくなります。
今回は無難に、案1のアプローチを採用します。
数字を置いてみる
では、
カフェの市場規模 = カフェの店数 × 一店あたりの年間売上高
とした時、どの変数に数字が置けるかを考えていきましょう。
「一店あたりの年間売上高」は更に分解しないと数字を置けそうにないですが、「カフェの店数」については置けそうですね。
カフェの数って「大体コンビニと同じくらいじゃないかなー」と思います。
一方で、コンビニとカフェを比べると、アパート街とかにカフェは少ない印象なので、カフェの方が少ない印象です。
このため、コンビニの数は6万軒くらいですので、カフェの店数は5万軒と設定しましょう。
フェルミ推定をするに当たり、覚えておいた方がいい数字をまとめましたので、ご参考にしていただければ。
さらに立式
では、
カフェの市場規模 = カフェの店数 × 一店あたりの年間売上高
のうち、数字を置けなかった「一店あたりの年間売上高」をさらに分解しましょう。
一店あたりの年間売上高 = カフェ一店あたりの1日売上 × 30日 × 12ヶ月
ということになりますね。
ここで、売上の内訳を一旦ブレストしてみましょう。
幅出しするのはやっぱり大事です。
カフェの売上としては、店内での飲食のほか、
- テイクアウトや、
- 夜はバーも兼ねてアルコール営業するパターン、
- 不動産収入があるパターン
など、色々考えられますね。
今回は、店内での飲食売上のほか、テイクアウト売上も考慮してみましょう。
上記を踏まえて「カフェ一店あたりの1日売上」を分解すると、
- カフェ一店あたりの1日売上 = 店内の飲食売上 + テイクアウト売上
- 店内の飲食売上 = 席数 × 稼働率 × 1時間あたり回転率 × 営業時間 × 一人あたりの平均購入額
- テイクアウト売上 = 店内の飲食売上 × テイクアウト比率
なお、「1時間あたり回転率」などの変数の解説については、以下の記事をご参考ください。
数字を置こう
それぞれの変数に数字を置いていきましょう!
- 席数:でかい店なら50-100席くらいあるでしょうし、小さい店なら5-15席くらいでしょう。大体30席くらいになるのではないでしょうか(四人席が4セット、二人席が倍の8セットくらい)
- 稼働率:ここは腕の見せ所なので、詳細を後述します。
- 1時間あたり回転率:1時間くらい滞在すると思うので、1回転と設定
- 営業時間:7:00-24:00とする店もあれば、9:00-20:00くらいの店もあるでしょう。間をとって8:00-22:00の14時間とします
- 一人あたりの平均購入額:スタバでコーヒー1杯が350円くらい、食事もつけると900円くらいいくイメージです。個人経営のカフェほど、コーヒーにこだわってて価格が高い印象があります。平均だと600円くらいでしょうか
- テイクアウト比率:店内の飲食売上を100%としたとき、テイクアウト売上が何%かという指標です。大体10人に一人はテイクアウトしてるイメージですが、それは都市部のカフェだからであって、地方とならすと20人に一人くらいでしょうか。5%と設定します。
稼働率をどう設定するか
「稼働率」については、一番重要な変数なので、更に分解して数字を設定しましょう。
カフェの稼働率に大きく影響を与えるのは、まずは平日か休日かでしょう。
また、食事時なのかそれ以外の時間なのかでも稼働率に差がありそうです。
以上を踏まえ、
どのくらいの席が埋まっているかなぁ
とイメージして、以下のように数字を設定しました。
「休日×食事時」の稼働率が100%でないのは、二人用テーブルを一人で使用しているパターンも結構あると考えたからです。
つまり、テーブルの稼働率が100%であったとしても、席の稼働率は100%を下回るということです。
結果として、それぞれの加重平均をとって、45%と設定しました。
実際の計算結果は43.5%ですが、概算なので45%に丸めています。
数字の置き方の詳細については、以下の記事をご覧いただければ。
最後に計算
上記の立式・数字を使って計算すると、
カフェの市場規模 = カフェの店数 × 一店あたりの年間売上高 = 5万軒 × 4300万円 ≒ 2.1兆円
となります。
計算の仕方について、別途記事を書いているので、ぜひご参考にしていただければ。
計算後の見直し
「想定より多くなったなぁ」というのが感想です。
席数や稼働率を高く見繕ってしまい、一店あたりの年間売上高が高くなってしまっているのかなぁと思います。
ちなみに、計算する前は「市場規模は数千億くらいかな」と思ってました。
ただ、調べてみると、2019年の市場規模は1.2兆円くらいのようですね。
店舗数は、平成26年で7万軒くらいのようなので、やはり「一店あたりの年間売上高」が高く算出されていたようです。
オススメの書籍
今回の記事に関連したオススメの書籍は以下の通りです。
『フェルミ推定の技術』
おわりに
いかがだったでしょうか。
フェルミ推定の後のケース問題の回答例も記事にしていますので、ぜひご一読いただければと思います。
皆さんの参考になれば幸いです!