こんにちは!
以前フェルミ推定の実例として、ジムの市場規模について記事を掲載したところ、
フェルミ推定後のケース問題部分についても、具体例が欲しい!
とのご要望をいただきました!
なので、「ジムの市場規模は?」というフェルミ推定をした後に、「では、ジムを運営する会社の売上を1.5倍にするには?」と問われた場合のやりとり例を記事にしてみます!
フェルミ推定の記事はこちらをご覧ください。
はじめに
コンサル会社の面接では、
- まずフェルミ推定で市場規模などを計算してもらい
- その流れで「売上をX倍にするには?」とケース問題に移行する
というのが一種の様式美になっています。
この記事も、「ジムの市場規模は?」のフェルミ推定をした後を想定して記載しています。
なお今回は、具体的なイメージを持ってもらうために、面接官と志望者の会話形式にしました!
それでは行きましょう!
まずは”焦点を当てるドライバー”を考えよう!
では、クライアントはジムの運営会社にします。
その中でも、コナミスポーツみたいな会社のイメージですね。
んで、「ここ数年で売上が下がって困っているから1.5倍にしてほしい」という状況です。
これを一緒に考えていきましょう。
先ほどのフェルミ推定で、ジムの市場規模は8,000億円と概算されてますので、そのうち10%のシェアを持っているとしましょう。
つまり、売上は800億円です。
売上を1.5倍にするにはどうすればいいですか?
まずは「どの領域に注力するか」を考えた方がいいかと思います。
ジムの売上の内訳を考えると、プロテインとかウェアとかの周辺領域も存在しますが、Amazonとかがある中で改善余地は少なそうです。
ジム本体の会員を伸ばす方向で考えるべきだと思います。
また、地域密着型のジムにはダンス教室とかもあるイメージです。
ただ、その手の教室は、ジム会員専用の教室だったりすることが多い印象です。
そうですね。
コナミスポーツも、ジム会員にならないとダンス教室とかに参加できないです。
であれば、ジム本体の会員を伸ばすことが、ダンス教室を伸ばすことにつながると思いますし、まずはジム本体の会員にフォーカスすべきな気がします。
そもそもダンス教室を伸ばすには、ダンススタジオや、ダンスの先生などを整備しなければいけないでしょうし、そこがネックになるかなぁと。
なるほどね。
はじめはとにかく、”焦点を当てるべきドライバー”を特定しに行きます。
いきなり抽象的なまま考えてはダメです。
この後も細分化しまくって、考える範囲を減らしに行きます。
さらに細分化しよう!
では、ジム本体の会員を伸ばすにはどうすればいいですか?
さっきの因数分解で一番バラツキがでるのが稼働率でしょうから、稼働率が低い部分の原因を考えて、それに対して打ち手を考えたいです。
おそらく、
- 「休日 × 昼」はサラリーマンもジムに来れるので稼働率が100%に近くて、
- 逆に「平日 × 昼」の稼働率は、めちゃ低い
と思うので、平日の昼の稼働率を上げる方向で考えるといい気がします。
では平日昼の稼働率をあげる方向で考えましょう。
どうしますか?
平日の昼のユーザーになり得るのは、専業主婦、シニア、暇な大学生、外国人旅行者あたりでしょうから、どのユーザーにフォーカスするかを決めたいですね。
外国人旅行者がジムに来るわけないし、大学生もボリュームが少ない&お金も切り詰めてるのでダメでしょう。
専業主婦か、シニアがメインになるでしょうが、専業主婦は子どもが体調不良になったら対応が必要など昼は忙しかったりします。
なので、まずはシニアをメインターゲットとして考えるのが自然な気がします。
なるほど。
体力をつけたいシニアを狙うということですね。
うーん…。
シニアの中には、体力をつけたい人もいるし、「退職して暇だから運動したい」という人もいるでしょう。
判断ポイントが異なってくるでしょうし、シニアで一纏めにせず、切り分ける必要がある気がしますね。
ただ、まぁ、体力をつけたいシニアを狙うのがいい気がします。
わかりました。
その方向で進めてください。
”焦点を当てるドライバー”をさらに特定しました。
はじめは、「会員数を増やすか、それともプロテイン代を増やすか」といった商材軸で細分化していましたが、
今回は「シーン軸 × ユーザー軸」でさらに細分化しています。
ある程度特定できたら課題と打ち手の検討に
では、体力をつけたいシニアをターゲットとするとして、コナミスポーツジムはどう差別化していくべきですか?
差別化ポイントを考えるためには、コナミスポーツジムがどういうジムなのかを知っておく必要があるのですが、あまり知識がなく…。
コナミジムは、ゴールドジムとかのプロ・セミプロ向けと違って、インストラクターみたいな人がいて、手を上げたら教えてくれるジムという理解でいいでしょうか?
そうですね。
であれば、体力をつけたいけど「ジムの経験なんてないよ」というシニアに、色々教えてあげたるといった初心者向けのサービスでやっていくのが基本的な方向になると思います。
シニアに限らず、「どうやって運動すればいいんだろう。筋トレ器具の使い方がわからない」というニーズは多いと思います。
その「初心者向け」という価値をシニアに伝えるためには、どういったチャネルでどういった内容で訴求すべきと思いますか?
そうですねぇ…。
シニアの立場となって考えると、「ジムを聞いたことがない」ということはないと思います。
「ジムという運動場があって、シニアの間でジム通いが多少流行っている」という知識は持っていると思います。
そうでしょうね。
ジムという存在は知っていてもなぜ来ないかというと、「シニアの中でも運動に本気で取り組んでいる人がいく場所であって、自分の行く場所ではない」と思っているのではないでしょうか?
“自分事”として捉えられない、というのが課題かと。
であれば、シニアへの訴求方法は、「仲のいいあの人が通ってる場所なら、私が行ってもいいだろう」と思わせるために、友達にジムを紹介してくれたらジムの月額料金を大幅割引するなど、知人を通して訴求するのがいいのではないでしょうか。
公民館や回覧板で情報を回すのも良いかもしれないですね。
なるほど。わかりました。
ケース問題はここまでにしましょう。
弊社について何か質問とかありますか?
ある程度”焦点を当てるべきドライバー”が特定されたら、はじめて打ち手を具体的に考えます。
会話イメージを見ていただければわかるように、単純に打ち手を列挙してはダメで、「こういう課題があるから、こういう打ち手が必要なんだ」と”課題”を挟む必要があります。
課題や打ち手の考え方については、こちらの記事をご覧いただければ。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
以上がケース面接のイメージです!
少しでも参考になれば幸いです!