こんにちは!
今回は、
公務員から転職したいけど、どこに転職すべきか悩むなぁ…
という若手公務員に向けて、コンサル会社をオススメしたいと思います。
コンサルには興味ない方も、この記事を読んでいただければ、
公務員からの転職では、そういうネックがあるのね…
という発見があると思いますので、ぜひ参考にしていただければ!
なお、公務員の転職全般に関しては先日記事を書きましたので、そちらもご覧いただければ幸いです。
では、早速行きましょう!
今回の対象者=「身軽な人」
先日の公務員の転職全般に関する記事の中で、転職者を
- 身軽な人
- 守るべき人
- 自由人
に分類していますが、今回は「身軽な人」に該当する人を対象にしています。
つまり、若くて家庭もなく、「養う対象=自分のみ」というタイプです。
こういった方々は、
自分の経験を活かせる仕事に就きたいなぁ
とはじめから考えるのではなく、市場価値の高いスキルを1回身につけることをオススメしています。
そして、市場価値の高いスキルとして、
- 営業(モノ・サービスを売るスキル)
- プログラミング
- マーケティング(特にWEBマーケ)
- コンサルティング
などが挙げられると思いますが、個人的には特にコンサルティングをオススメしているので、その理由についてご紹介します。
なお、時々、
公務員からコンサルに転職って中々いないでしょ?
と聞かれますが、私の感覚だと結構いる印象です。
実際、私の知っている限りでも、
- 防衛省で政策立案をやっていた人
- 市役所で市民課にいた人
- 県庁で観光課にいた人
- 県の試験場で研究員をやっていた人
- 大学法人で会計係をやっていた人
- 教師だった人
- 大学で准教授をやっていた人
など、様々なバックグラウンドの公務員がコンサルで活躍していますので、心配しなくていいかと思います。
そもそもコンサルってどんな仕事?
コンサルを利用している自治体はいまだに多くないので、正直コンサルの仕事のイメージが湧かない人が多いと思います。
なので、まずはコンサルがどんな仕事をしているかをご紹介します。
基本的に、コンサルは「お題をもらって、それに対する回答を検討するお仕事」と考えていただければよろしいかと思います。
お題の具体例としては、
- 我が社が今後三年間で売上を1.5倍にするには、どんな戦略を描いたらいいか?
- 我が社の次世代の柱となるような新規事業を、どう生み出していけばいいか?
- 離職率の低い組織にするには、どうすればいいか?
- 業務プロセスをより効率的・効果的にするには、どう改善すればいいか?
- 我が社はどのようなITシステムを導入すべきか?
などがあります。
これらのお題に対してだいたい3~6ヶ月の検討を経て最終提案をします。
そして、お題によってコンサルタントが細分化され、
- 企業経営のお題をメインで扱う人達を「経営コンサルタント」
- 企業経営のうち、戦略策定をメインで扱う人達を「戦略コンサルタント」
- IT周りのお題をメインで扱う人達を「ITコンサルタント」
といった呼ばれ方をします。
ちなみに、コンサルタントの仕事の進め方ですが、コンサル会社によって差はあるものの、基本的に、
- 管理職以上のコンサルタントが「検討プロジェクトを立ち上げませんか?」と各企業に営業をかけ、
- 立ち上がった検討プロジェクトに若手コンサルタントが割り当てられ、管理職のコンサルタントの指示のもと検討を進める
というのが一般的です。
若手のうちはひたすら検討に集中し、管理職以上になって初めて営業ノルマが発生してくる、というイメージです。
ここら辺は、「若手のうちは庁舎内で作業をし、出世すると議員対応や業界対応をしなければいけなくなる」という公務員の働き方に似ている気がしますね。
転職先をコンサルにするメリット
では、若手公務員の転職先をコンサルにするメリットをそれぞれ見ていきましょう!
大きく4つメリットがあると考えています!
他の業種に比べ、公平に採用面接してくれる
公務員から民間企業への転職活動をやってみると分かるのですが、民間企業は公務員出身者にすごく冷たいです。
中途採用の面接を申し込んでも、普通に書類で落ちまくりますし、面接に行っても、
公務員はビジネスのこと何も知らないでしょ?
と普通に言われます。
一方で、コンサル業界は、公務員に対しても比較的公平に採用面接してくれます。
これが一つ目のメリットです。
これは、コンサル業界の仕事が少し特殊なので、
どの業界の出身者でも、コンサル業界に入ったらゼロから勉強しなければならない。
どうせ皆ゼロからスタートなので、公務員だろうと民間企業だろうと、業務経験は大した差にならない。
と考えている採用担当者が多いからです。
結果的に、公務員にとってコンサル会社は「比較的転職しやすい」業界になります。
どの業界出身でもスタートラインが一緒
実際に公務員から民間企業へ転職しようとすると、転職希望者は、
公務員としてやってきた私が、民間企業で移って、ちゃんと結果を出せるだろうか…
と、ものすごい不安に感じるものです。
一方で、コンサル会社の仕事は結構特殊なので、
- 商社出身だろうと、
- 銀行出身だろうと、
- メーカー出身だろうと、
- システムエンジニア出身だろうと、
- 公務員出身だろうと、
いずれの業界出身であっても、基本的にゼロからコンサルのスキルを獲得していかなければいけません。
つまり、中途入社者のスタートラインが一緒ということです。
これが2つ目のメリットになります。
汎用性の高いスキルが身につき、市場価値が上がる
3つ目のメリットは、コンサルタントとして働くことで得られるスキルです。
実際、コンサルタントになると、戦略策定や、リサーチ、分析、ITのスキルが身につきます。
これらのスキルは、どの業界に行っても役に立つものです(たとえ公務員に戻ったとしても役に立ちます)。
また、このような汎用性の高いスキルが身につくことで、人材としての市場価値が高まっていきます。
例えば私の友人は、公務員から民間企業に転職する際に、第一志望の業界に入れませんでした。
「公務員だからビジネスのことを知らないだろ」という理由で面接すらさせてもらえなかったようです。
そこで友人は、
公務員から直接転職するのは難しいか…
だったら、一回コンサル業界を経由して、改めてチャレンジしよう!
と考え、一度コンサル業界で3年ほど働いた上で、改めて転職活動をし、見事に第一志望の業界に転職していきました。
このように、「コンサルで市場価値を高めてから民間企業に行く」というパターンも取れるのが魅力です。
公務員の経験・知識が役に立つ
これは結構意外に感じる人が多いみたいですが、普通の民間企業よりも、コンサル業界の方が公務員の経験・知識を役立てられる可能性が高いと思っています。
これが4つ目のメリットです。
一般的に、民間企業に転職した後、公務員の経験・知識が役に立つことは少ないです。
予算策定や法令改正の業務は、当然、民間企業では役に立ちません。
経理や人事や税務などの知識は、全く役に立たないことはないかもしれませんが、とはいえ、ずっと民間企業で経理や人事や税務をやってきた人の方が遥かに知識が上でしょう。
公務員として培った調整能力(根回しの能力など)は、民間企業でも役に立つでしょうが、とはいえ調整能力は民間企業でも伸ばせる能力です。
なんなら、「得意先への接待」などを経験している営業マンの方が、根回し能力が高い場合も多いでしょう。
以上のように、公務員の知識・経験が民間企業で活きることは少ない印象です。
一方で、コンサル会社は、政府や自治体に対してもコンサルティングサービスを提供しています。
なので、例えば「市役所の業務改善」という場合は、公務員出身の人は市役所でどんな業務が行われているかイメージを持っているため、スムーズに仕事に入ることができます
(もちろん、業務改善のための分析手法などはゼロから勉強しなければいけませんが…)
他のメリット
ほかにも
- 単純に給料がいい。
- 市場規模が拡大している業界なので、働いている人も活気がある。
- コンサル業界は基本的に出戻りOKなので、コンサルから民間企業に転職した後に、「なんか合わないな」と感じたら、古巣のコンサル会社に戻れる
- 公務員とは真逆な文化を学べる(公務員は上意下達な文化ですが、コンサルは若手のうちから会議で発言を求められます)
などといったメリットがあります。
転職先をコンサルにするデメリット
では転職先をコンサルにするデメリットはないのでしょうか?
もちろんデメリットはあります。
それぞれ見ていきましょう。
仕事を自分で取りに行かなければいけない
コンサルに転職すると、自分で仕事を取りに行き、自分で考え、手を動かさないといけません。
自分からアピールをしないと仕事はもらえないですし、仕事をもらえなかったら解雇候補になってしまいます。
この「自分で仕事を取りに行き、自分で考え、手を動かさないといけない」というマインドへのチェンジが結構大変です。
実際私も苦労しました。
真面目に成果主義に向き合う必要
民間企業の中でも、コンサルティング業界は特に成果主義が浸透している業界なので、そこに真剣に向き合わなければいけません。
年功序列の組織ではなく、成果主義の組織なので、自分の価値は自分で証明しないと(役職的にも給料的にも)ずっと停滞したままです。
例えば、コンサル会社に中途入社したら、自分より年下の人が自分の直属の上司になったりすることがよくあります。
また、給料面でも、
1年間頑張ったけど、成果が芳しくなかったので、昇給が0円だった…
という人がザラにいます。実際、私も一度「昇給0円」となったことがあります。
このような環境の中で、成果を出すために色々と頑張らなければいけません。
特にコンサルになりたての頃は、成果を出すため、土日などのプライベートの時間もある程度勉強に当てる必要があるでしょう。
ほかのデメリット
- 単純に忙しい。
仕事の締め切りもタイトなので、バタバタする - 出世しても仕事が楽にならない。
むしろ出世するほど、営業ノルマなどの新たな要素が入ってきて、どんどん忙しくなる(「高給取りほど働け」ということなので、ある意味では健全ですが)
などといったデメリットがあります。
メリデメをまとめると
ご紹介したメリデメをまとめると、「コンサルは、公務員でも採用してもらいやすいし、スキルと一定のお金が手に入るけど、結構しんどい」といった感じでしょうか。
ただ、「しんどい」といっても、公務員の業務の「しんどい」とは種類が異なるものです。
コンサルの「しんどい」は、
- 自分から積極的に仕事を取りに行かなければいけない
- プライベートでも一定の勉強をしなければいけない
といった「筋トレ」に近いしんどさです。
乗り越えたらリターンは大きいですし、若手公務員の方には、転職先としてコンサルをオススメします。
オススメの書籍
今回はコンサルの仕事を説明している書籍をご紹介します。
興味のある方はぜひ。
『コンサルティングの基本』
『コンサル一年目が学ぶこと』
『なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?』
おわりに
いかがでしたでしょうか?
悩んでいる方の参考になれば幸いです。