業務

【初心者向け】業務改善の基本・後半【マニュアル・引継書作り】

こんにちは!

今回は「業務改善の基本」をご紹介します。

分量が多くなってしまったので、前半・後半に分けております。今回は後半です。
前半はこちらをご覧ください。

【初心者向け】業務改善の基本・前半【マニュアル・引継書作り】 こんにちは! 今回は「業務改善の基本」をご紹介します。 分量が多くなってしまったので、前半・後半に分けております。今回は前...

マニュアルや引継書を作る機会は公務員も民間も多いと思うので、参考にしていただければと思います。

では、早速行きましょう!

はじめに:前半の振り返り

前回の記事でご紹介した通り、

業務改善 = 可視化 + 改善

です。

このため、

  • 前半の記事では「可視化」
  • 後半の記事(今回の記事)では「それを踏まえた改善検討」

という形でご紹介します。

前回の記事についてはこちらをご覧ください。

【初心者向け】業務改善の基本・前半【マニュアル・引継書作り】 こんにちは! 今回は「業務改善の基本」をご紹介します。 分量が多くなってしまったので、前半・後半に分けております。今回は前...

では早速、「それを踏まえた改善検討」のやり方について見ていきましょう!

可視化を踏まえた「業務改善の検討」

可視化を踏まえた「業務改善の検討」のやり方をご紹介します。

業務の「可視化」の手法として、

  • マニュアル・引継書
  • プロセス図
  • ワークフロー図

などがありますが、それらを使って、

ある人

どの部分の業務のやり方を変えると、改善できるだろう?

と検討していきましょう。

検討の観点としては、

  • そもそもこの業務は不要ではないか?
  • 必要な業務だとしても、求めるアウトプットの質を下げられるのでは?
  • 求めるアウトプットの質を達成するため、もっと良い手段があるのでは?

の3つが基本になります。

では、それぞれ見ていきましょう。

なお、

ある人

何をもって「改善した」と言えるだろうか?

と、「改善」の定義を考えることは重要です。

ここでも目的が大事になります。

業務改善をする目的が、

  • 単純に費用対効果を高めたいのか
  • 事故が起きにくい現場にしたいのか

によって、改善内容が変わってくるのが容易に想像できると思います。

費用対効果を高めたい場合は、

  • 業務プロセスを縮めたり、
  • 関与する人員数を減らしたり、
  • 用いるツール・資材の価格を下げたり、

といったことを検討していきます。

一方、事故が起きにくい現場にしたい場合は、

  • 危険な業務プロセスを削ったり、
  • 人員に十分な休息を与えたり、
  • 危険な業務プロセスを専門家に委託したり、

といったことを検討していきます。

こういった感じで、「改善」の定義を考え、それを念頭に置きながら業務改善をしていきましょう。

そもそもこの業務は不要ではないか?

業務改善で一番効果があるのが、「不要な業務を削ってしまう」というものです。

可視化された業務を見て、

ある人

なんでこの作業しているの?

いらなくね?

と不要な業務を探していくことになります。

ここで重要になるのは、業務ごとの「目的」です。

業務ごとの「目的」を見ていくと、

ある人

この業務の「目的」がわからないなぁ

とか、

ある人

昔は適切な「目的」だったんだろうけど、今の時代にはそぐわないなぁ

とか、

ある人

一応、業務の「目的」はあるけど、すげーショボいなぁ

この程度の「目的」なら、別に気にしなくて良いのでは?

とか、

ある人

一応、業務の「目的」はあるけど、ほかの手段でもそれは達成できそうだなぁ

といったことで出てきますので、そういう場合は「不要な業務」として削ってしまいましょう。

また、業務だけに目を向けず、

  • 顧客/マーケット
  • 製品・サービス
  • ルール(制度・規約等)

といった様々な観点から「必要か?」と考えることも重要です。

例えば、

ある人

このセグメントの顧客は、対応に大きなコストがかかるのに、購入額が小さい。

今後は取引しないようにしよう。

と決断できれば、これまで必要だった対応業務が丸々減ることになります。

観点の詳細については、後述の「もっと良い手段があるのでは?」で記載します。

今回は、可視化された業務を1個1個見ながら問題点を探す手法をご紹介しています。

一方、業務改善の手法としては、これの他にも、

  • 「現状」の業務の可視化
  • 「あるべき姿」の業務の可視化

を行なった上で、「現状の業務」と「あるべき姿の業務」を突合し、どこに差異があるかを考えていく、という手法もあります。

ただ、「あるべき姿」の可視化は、目的から逆算して、最新のITシステム事例や他社事例などを調べながら、

ある人

相手に物が届けばいいんだから、倉庫は別になくても良いよね

みたいな感じで描いていくことになるので、難易度が高いです。

また、現実問題として、法律で定められた手続が多数存在しているため、一公務員として業務改善できる範囲は限られており、「あるべき姿」を起点にして大幅に業務プロセスを変更するのは難しいでしょう。

このため、まずは、「現状の業務」だけを見て問題点を指摘する手法を把握すれば良いと思います。

必要な業務だとしても、求めるアウトプットの質を下げられるのでは?

見落としがちですが、「求めるアウトプットの質を下げられないか?」と考えることは非常に重要です。

単純に、

ある人

より効率的・効果的な手法はないか?

とだけ考えて業務改善するよりも、

ある人

そもそも、ここまでの品質は必要はあるの?

という観点からも考えた方が、業務改善の効果が大きいです。

例えば、

ある人

毎回、顧客に合わせてオーダーメイドで提案資料を作っているけど、必要かな?

オーダーメイドで作るべき部分は全体の30%ほどで、残りは使い回しでいいんじゃない?

とか、

ある人

全品を検査する必要はあるかな?

100個に1個くらいの割合で抽出検査をするだけで十分じゃない?

といった感じで「内容の充実度」を引き下げたり、

ある人

成果物の製本の紙質は、こんなに高価でなくてよくない?

今はデータでも納品するから、紙媒体の資料は、もっと低い品質の紙を使って良いのでは?

とか、

ある人

内部検討用の資料は、別に誤字脱字があってもよくない?

顧客に提出する資料はダブルチェック体制を取るけど、部長に見せる資料だったら手書きでも最悪大丈夫でしょ。

といった感じで「成果物の仕様」を引き下げたりしていきます。

「求めるアウトプットの質を下げられないか?」という観点の良いところは、一公務員の業務領域で色々検討できるところです。

例えば、上司と仲良くなって、

あなた

事前に内容について相談させてもらう時は、多少汚い資料になっても大丈夫でしょうか?

最終成果物は別途確認していただきますので、誤字脱字とかはその際に見ていただければと思ってます。

上司

いいよ。

誤字脱字を毎回確認するのは俺も面倒だし。

と了解を取ってしまえば、自分の仕事の効率がグンと上がります。

求めるアウトプットの質を達成するため、もっと良い手段があるのでは?

「もっと良い手段があるのでは?」と考えるのは、業務改善の一番の基本です。

例えば、

  • 飲み会の精算を電卓を叩いて計算していたが、Excelを使って計算するようになる
  • 飲み会の参加者一人一人に回って集金していたが、担当者を複数決めて分担して集金するようになる

といった簡単なものも、立派な業務改善です。

ここで、「もっと良い手段があるのでは?」という検討をする上で、重要な観点や検討項目をご紹介します。

まず、業務改善の重要な「検討項目」ですが、業務改善のフレームワークとして、「ECRS」というものがあります。

これは、

  • なくせないか?(Eliminate)
  • まとめられないか?(Combine)
  • 交換・入れ替えできないか?(Rearrange)
  • 簡素化できないか?(Simplify)

の頭文字を取ったものです。

また、業務改善の重要な「観点」としては、

  • 顧客・マーケット
  • 製品・サービス
  • 業務プロセス
  • ルール(制度・規約等)
  • 組織・役割
  • 人材・スキル・報酬
  • 資材・設備・情報システム

などになります。

これらをもとに、「検討項目」 × 「観点」の掛け算で考え、改善ポイントを洗い出していきましょう。

例えば、「組織・役割」 × 「なくせないか?」で、

ある人

これまでは不慣れな職員が四苦八苦しながら対応していたが、今後は専門会社に「アウトソース」しよう!

と考えることもできます。

また、「業務プロセス」 × 「なくせないか?」で、

ある人

全量検査から、「ハズレ値のみの調査」か「抜き取り調査」に変更しよう!

と考えることもできます。

さらに、「資材」 × 「まとめられないか?」で、

ある人

発注量・発注回数を「集約化」し、ボリュームディスカウントをもらおう!

と考えることもできます。

ほかにも、「組織・役割」 × 「まとめられないか?」で、

ある人

各課でそれぞれやっていた作業を、担当者を一部署に集めて専門チームで「一元管理」しよう!

と考えることもできます。

ほかにも、「業務プロセス」 × 「交換・入れ替えできないか?」で、

ある人

今は、資料作成してから、その数値を審査部が確認しているので、手戻りが度々発生している。

これを、

  1. 資料の骨子を作成し、
  2. その数値を審査部が確認し、
  3. その後、資料作成する

といった形で「順番を入れ替える」と、手戻りが少なくなるのでは?

と考えることもできます。

ほかにも、「ルール」 × 「簡素化できないか?」で、

ある人

テンプレートを作って作成資料を「標準化」し、作業効率をあげよう!

と考えることもできます。

ほかにも、「業務プロセス」 × 「簡素化できないか?」で、

ある人

手入力を減らすため、ITで「自動化」だ!

と考えることもできます。

オススメの書籍

今回の記事に関連したオススメの書籍は以下の通りです。

『はじめよう!プロセス設計』

『業務改革の教科書』

『最強の業務改革』

『最強のコスト削減』

『コストマネジメント思考法』

おわりに

いかがでしたでしょうか?

お仕事の参考になれば幸いです!