こんにちは!
今回はケース問題の具体例についてご紹介します。
お題は「日本で銃の売上を1.5倍にするには?」です。
今回も、制限時間10分で私が考えた回答を文字起こししていきます。
前回の「日本における銃の市場規模」のフェルミ推定についてはこちらの記事をご覧ください。
では、早速いきましょう!
イメージを膨らませる
まずは、いつもの通り、「妄想」してイメージを膨らませましょう。
今回のお題は「日本で銃の売上を1.5倍にするには?」ですね。
とりあえず、
日本で銃は誰が持っているだろう?
と考えると、
- 警察官
- 自衛隊
- ヤクザ
- 猟師
- 獣医や動物園?(麻酔銃など)
といったことが思いつきました。
このうち、「警察官」、「自衛隊」、「猟師」を検討すればいいと思います。
ヤクザの持ってる銃は、警察官とかから奪ったりしているものが多いんじゃないでしょうか?(ここら辺は知識がないのでよくわかりませんが…)
獣医や動物園についても、数は少ないでしょうし、気にする必要はないかと。
また、
「銃」にはどんなものがあるだろう?
と考え、思いつくことをどんどん挙げていくと、
- 拳銃
- ライフル銃
- 猟銃
- 麻酔銃
- ショットガン
とかでしょうか。
逆に、
- ロケットランチャー
- ボウガン
とかは「銃」に該当しないでしょうし、
- モデルガン
- トリガーを引くと釘とかが打ち込まれるやつ
とかも当然「銃」に該当しないでしょう。
さらに、
「銃」の市場規模に含まれるものの候補として、どういうものがあるだろう?
と考え、思いつくことをどんどん挙げていくと、
- 「銃」本体
- 弾丸
- スコープ
- 銃のホルダー
- 銃の保管庫
- 銃の免許?
などがありますが、「銃本体」をまずは算出すればいいでしょう。
イメージを膨らませるのはこれくらいにして、具体的な検討に入っていきましょう。
問題を切り分ける
では、
売上を上げるためには、どこに注力すればいいか?
と考え、注力すべき部分とそうでない部分を切り分けましょう。
今回のフェルミ推定の計算式では、
- 警察官
- 自衛隊
- 猟師
の3つごとに市場規模を算出しています。
これらのセグメントが、今後どんどん成長していけば、銃の売上も拡大していくと思いますが、まぁセグメントの成長は期待薄でしょう。
人口減少の中で、警察官と自衛隊は、人員数が減っていくでしょう。
猟師は元々の規模が小さいので、多少増えても影響が少ないです。
なので、市場の成長に期待せず、シェアを獲得していくのが基本になります。
その際、
どのセグメントのシェア獲得に注力すべきか?
と考えると、「警察官」だと思います。
「自衛隊」は、性質上、他の武器との兼ね合いで調達すべき銃が決まっていくでしょうし、シェア獲得が非常に難しい気がします。
「猟師」は、ボリュームが少なすぎて優先順位が下がります。
一方で、「警察官」は、一定の規模がありますし、銃の納入競争もそこまで激しくないのではないでしょうか。
このため、以降は「警察官」のシェアを取ることを前提に検討していきます。
課題&打ち手を考える
では、「警察官」のシェアを取るために、何をすればいいでしょうか?
銃の調達における警察官の心理などを考え、それを起点に、打ち手を考えていきましょう。
ケース問題の打ち手の考え方については、以前記事を書きましたので、ご参考にしていただければ幸いです。
では、それぞれ課題を見ていきましょう。
銃はイニシャルコストよりもランニングコストの方が大きい?
警察官の銃の取り扱いをイメージすると、
- 盗まれないように厳重に保管し、
- 定期的に銃の品番や弾丸数などを確認して記録と齟齬がないかチェックし、
- 暑さなどで砲身が曲がったりしていないか確認し、
- 銃を持っている警官に「精神的不安定さ」などがないかを心理テストとかで確認し、
- 銃の交換が必要なら、その都度で厳密な手続を実施する
といった感じで非常に重い管理がされているのではないでしょうか?
なので、銃に関しては、調達時に発生するコストよりも、調達後の管理コストの方が大きいと思います。
警察としては、その管理コストを少しでも下げる銃を求めているのではないでしょうか?
であれば、管理コストを下げるような銃を開発しましょう。
例えば、銃にIoTチップを埋め込んで、一括でデータ管理するというものがあると思います。
また、IoTチップを埋め込めば、銃の盗難にあった場合も、追跡が可能となるでしょう。
最近は1円玉くらいの小さなIoTチップが出てきていますし、銃への搭載は可能ではないでしょうか。
また、銃を「販売」するのではなく、「リース」するというサービスもいいかもしれません
リースの場合は、砲身が少し歪んだら交換も速やかな可能でしょう。
また、定期的に銃をリプレースしていくことで、定期的に銃の数量確認や状態確認が可能となり、警察内部での銃の管理の労力が減ると思います。
「警察官の銃」のスイッチングコスト高い説
警察官が銃を調達する時、どういった基準で選ぶかを考えると、
これまでと同じタイプの銃か?
という観点が結構大きいのではないでしょうか?
自衛隊の場合は、性質上、武器は常に最新鋭のものに変えていく必要があります。
一方で、警察官の場合は、
- 実戦で発砲するとしても、年に1回あるかないか
- 射撃訓練も、高頻度で受けられるわけではない
- 慣れてない銃を使用し、射撃が逸れて無関係の市民に当たってしまった場合、大変なことになる
- 銃のホールダーなども何年も使い回し
という状況だと思うので、銃はいつも同じタイプのものを調達するのではないでしょうか?
であれば、銃メーカーとしては様々な銃を取り揃えても意味がありません。
警察官が使っているものと似たような仕様の銃を、大量生産し、1丁あたりの製造コストを下げていけばいいと思います。
また、
射撃訓練場を無料で提供しますので、休日などに”自主練”したい警察官のためにご活用ください!
と言って、自社の銃を射撃訓練で使ってもらうという手もあると思います。
「銃はいつも同じタイプのものを調達する」という考えの根底にあるのは、
複数の銃を習熟する時間もないので、同じタイプの銃を使い続け、使用時のリスクを下げたい
ということでしょう。
逆にいうと、自社の銃を習熟する警察官が増えるにつれ、自社の銃が調達される確率が上がっていきます。
なので、こちらから習熟する環境を提供していけばいいと思います。
ただし、射撃訓練場は民間企業では運営できないでしょうから、警察の管轄に移ることは注意が必要だと思います。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
お仕事の参考になれば幸いです!