心構え

政策立案で重要となるマインド・姿勢

政策立案の具体的な手法を提案する前に、どうしてもこの話題に触れなければいけないと思い、記事を書きます

どんなマインド・姿勢で政策立案すべきか?

それは、知識・信条に引っ張られず、その場その場でオーダーメイドで考える、ということです。

「問題や状況を、自分の世界に押し込まない」という意味でもあるし、
「事実をそのまま見る」という意味でもあります。

なぜ政策立案でこれが重要なのか?

このマインド・姿勢は、企業の戦略立案や科学の研究などよりも、政策立案の場面でもっと重要になると思ってます。

なぜなら、政策立案は “政治の世界” で行われるからです。

政治の世界には、右翼とか左翼とか、思想がたくさん存在しています。
別に政策立案者の信条が右翼でも左翼でもいいですが、政策立案の際にそれを持ち込んではいけません

もっと具体的にいうと、初めから右翼か左翼かといったスタンスを決めると、思考(政策立案の幅)を狭めます

自分のスタンスを「小さな政府」に決めてしまっていると、例えば
”事業者が思う存分もっと創意工夫して競争できる環境を作る”
といった産業政策を考える際に、
「そういった環境を作るためには、まずはセーフティネットが必要だ。
競争して上手くいかなかった時の心配を取り除いてあげないと、誰も競争なんてしない」
といった発想が出てきません。

旧ソ連や中国共産党は、経済については共産主義を捨てて、資本主義的な方向にシフトしましたが、はじめから「共産主義でずっと行こう」と考えてしまうと、こういった柔軟な対応ができなくなります。

そのマインド・姿勢を身に着けるためにはどうすればいいんだろうか?

上記の通り、政策立案をする際は、右翼左翼といった信条と照らし合わせて考えるのではなく、個別具体の状況に照らし合わせて考えるべきです。
時々、それが全くできない人がいたりするんですが、なぜだろう?と考えると、多分、”自分の理解していること”に思考が引っ張られ過ぎているんだと思います

つまり、知識に引っ張られる癖が元々あって、その癖の中で、信条に引っ張られてしまう、という因果関係なんじゃないかなー、と勝手に思ってます。
そして、知識に引っ張られてしまうのは、逆説的ですが、知識が足りないことが原因なんだと思ってます

将棋棋士の丸山忠久は、「将棋が強くなるときは、新たな価値観を身につけたとき」という名言を残してます。
攻め将棋だけがサイコー!
とか、
師匠のいう通りにやっておけばいい!
とかそういった殻に閉じこもっていると将棋は強くならないみたいです。

政策立案の分野でも、色んな政治信条とか、色んな政治の分析手法とか、政治に限らず民間企業が使っている分析手法とかを勉強して、たくさん知識を身につけて「こういう考えもあるんだ」と身につけていくことで、逆に知識に頼らずに考えることができると思ってます(私もまだ全然できないですが、、、)

ぜひこのマインド・姿勢を心に留めていただければ幸いです!(自戒の念も込めつつ、、、)