こんにちは!
先日、「分析の基本的な考え方」についてご紹介しました。
今回は、その記事の中で「分析の1パターン」としてご紹介した分類わけ/グルーピングについてです。
ボリュームが大きくなってしまったので、分類わけ/グルーピングの考え方については後日ご紹介するとして、今回は分類わけ/グルーピングのイメージについてご紹介します。
では、早速いきましょう!
分類わけ/グルーピングの種類
分類わけ/グルーピングには、定性的なものと、定量的なものの2種類が存在します。
今回は、定性・定量いずれの具体例もご紹介することで、
こういうアウトプットをするイメージなのね
と思っていただけたら幸いです。
なお、はじめに申し上げると、「分類わけ/グルーピング」と「(単純な)比較」にそこまで明確な差はなかったりします。
「分類わけ/グルーピング」と「(単純な)比較」の区別が曖昧なため、
これって「分類わけ/グルーピング」に当たるの?
という分析も出てくるかもしれませんが、たくさん事例を出した方が初心者にとっては有用だと思うので、広めに集めました。
定性的な分類わけ/グルーピング
分類わけ/グルーピングと言われると、一般的には定性的なものをイメージすると思います。
なんとなくイメージを持っている方も多いかもしれませんが、具体的に見ていきましょう。
特徴に沿って分類/グルーピングする
製品の特徴を比較し、差異や共通部分に沿って分類するものです。
基本となる分類わけ/グルーピングとなります。
また、性質などで分類/グルーピングすることも多いです。
例えば、業務の中でも付加価値につながる業務とつながらない業務に分けて、それぞれの方針を変えたりします。
ほかにも、以下のように、事業を内容で分類し組織再編の方向性を出す場合もあります。
Where・Whenに沿って分類/グルーピングする
分類の軸としてはまだまだあります。
まず、領域やプロセスといった「Where」に沿って分類する場合も多いですね。
これにより、
自社は、どの部分から経営改革していくべきか?
などを検討しやすくなります。
時間や曜日などの「When」に沿って分類するパターンもあります。
これをすることで、特に注意すべき時期・時間帯などを検討することができるようになります。
共通と個別に分けて分類/グルーピングする
ユーザーニーズの調査などを調べると、「ユーザーの属性に応じた個別のニーズもある一方、どの属性でも当てはまる共通的なニーズもある」ということがよくあります。
そういう場合は、ニーズを共通と個別に分け、
- 共通ニーズは全て満たすようにサービスを設計する
- 個別ニーズは全て満たさず、ターゲットとするユーザー属性を決めて、そのターゲットの個別ニーズだけを満たす
ということをよくやりやます。
目的・用途に沿って分類/グルーピングする
目的・用途に沿ってカテゴライズすることで、共通の目的を持つ事項が整理されるので、
目的が共通なら、手段は統一してもいいんじゃない?
とか、
目的ごとに、最適な手段を考え直そう!
といった検討ができるようになります。
背景・理由に沿って分類/グルーピングする
背景や理由に沿ってカテゴライズすることで、共通の原因を持つ事項が整理されるので、
この「背景」に対処さえすれば、そこから発生している3つの課題を解決できるのでは?
といった検討ができるようになります。
関係性に沿って分類/グルーピングする
例えば、リサーチで取得した情報を括り、
「AAAとBBBが背景としてあったが、CCCの発生によりその深刻度が加速し、結果としてXXXが問題として生じている」
といった関係性を整理したりします。
特にインタビューで取得した情報の分類/グルーピングは、KJ法と呼ばれる手法が有名です。
優先すべき事項をピックアップする
いくつかのグループにカテゴライズするというよりも、各事項を特定の観点から評価することで、ピックアップするものを決めます。
例えば、優先して解決すべき不具合・課題と、解決を後回しにする不具合・課題を分類したりします。
定量的な分類わけ/グルーピング
定量的な分類/グルーピングでは、散布図における偏りを括ったり、特異値部分をピックアップしたりしていきます。
具体例をご紹介しますので、ぜひイメージを醸成していただければ。
散布図などの偏りを括る
散布図などのように、「 “平均値” でまとめず、中身のバラツキを可視化し、各要素の挙動を分類/グルーピングする」という分析はよくあります。
例えば、「投下したリソース」と「獲得した売上」の変化値で各支店をプロットし、
- 投下リソースが減っているのに売上が伸びている支店を「優秀な支店」
- 投下リソースが増えているのに売上が減っている支店を「改善を要する支店」
と整理したりします。
また、ある国の「一人当たり消費量」の変化を予測するため、各国の経年変化を散布図にプロットし、変化のパターンを整理したりします。
ちなみに、PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)なども、各事業を一定の軸で整理し、位置付けを分類する手法です。
特異値部分をピックアップする
「各要素に分解し、”平均”とは掛け離れた挙動をしている要素(=特異点)を見つける」という分析も多いです。
そして、特異点は大きな示唆をもたらすことが多いです。
例えば、サブスクリプションサービスの登録プロセスの歩留まりを整理し、改善が必要なプロセスと不要なプロセスを分類したりします。
また、働き方改革に対する意見を集約し、
「特に不満が大きい中間管理職をどうサポートするかが、働き方改革の成否を分ける」
のように、サポートの必要部分と不要部分を分類したりします。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
お仕事の参考になれば幸いです。
後半の記事はこちらからどうぞ!