こんにちは!
今回はグループディスカッションのテーマ例についてご紹介します。
お題は「無人島に好きなものを3つ持っていけるとしたら?」です。
グループディスカッションのお題を探している時にこれを見つけ、
小学生の時、よくこの手の話したなぁ
と懐かしく思ったんですが、調べたところグループディスカッションではよく出るお題みたいですね。
今回は、
回答の方向性として、大きく二つあるなぁ
と考えたので、自分なりの回答を一つ作るというよりも、「考えられる二つの方向性」および「それに沿った議論のイメージ」について記載してみました。
グループディスカッションの考え方については以前記事を書いておりますので、ご参考にしていただければ。
では、早速いきましょう!
出題意図をまずは考えたい
今回のお題は「無人島に好きなものを3つ持っていけるとしたら?」ですね。
なぜグループディスカッションのお題としてこれが出たのでしょうか?
出題意図を少し考えてみましょう。
このお題を通して、面接官は何を確認したいのか?
と考え、可能性のあるものを列挙していくと、
- 未知の問題への対応力を確認したい
- フワフワした問題への緻密な論理力を確認したい
- ありがちな回答ではなく柔軟な発想力を確認したい
- 3つという制約の中で合意を形成していく協調性を確認したい
といった感じでしょうか。
そして、この中で可能性が高いのは、
- 緻密な論理力を求めている
- 柔軟な発想力を求めている
のいずれかだと思います。
なぜなら、他の能力を確認したいのであれば、「無人島に好きなものを3つ持っていけるとしたら?」というお題は不適切だと思うからです。
まず、「未知の問題への対応力を確認したい」ですが、「無人島に好きなものを3つ持っていけるとしたら?」は全く未知の問題ではありません。
小学生の頃などに皆一度は考えたことがあるテーマでしょうし、このお題で対応力は確認できないと思います。
次に、「3つという制約の中で合意を形成していく協調性を確認したい」ですが、これを確認するためにはそれなりに”荒れる”問題を課さないと意味がありません。
一方で、「無人島に好きなものを3つ持っていけるとしたら?」というのは回答に比較的バラツキがあまりなく、収束していく問題だと思います。
あなたは日本の首相です。
宇宙人が攻めてきたときに、どう対応しますか?
3つ挙げてください。
とかの方が回答にバラツキがあって、合意形成する能力を見れる気がします。
面接官が、
- 緻密な論理力
- 柔軟な発想力
のいずれを求めているかは、出題時のガイダンスなどを踏まえて判断するしかないですが、今回はそれぞれの議論のイメージについて記載していきたいと思います。
アプローチを考える
では、今回のお題に対するアプローチを考えていきましょう。
今回のお題は、「無人島に好きなものを3つ持っていけるとしたら?」ですね。
割とフワフワしたお題なので、まずは「前提認識を合わせる」というステップを設けた方がいいと思います。
それ以降の検討アプローチとしては、
- 緻密な論理力を求められているのか
- 柔軟な発想力を求められているのか
によって、変わってくると思います。
「緻密な論理力を求められている」と考えた場合のアプローチは、
- 無人島での生活は、具体的にどういったものになるか?
- その無人島の生活において、自力では対応できないであろう部分はどこか?
- その「自力では対応できないであろう部分」に対応するために、どういったものを持っていくべきか?
という感じになるかと思います。
一方、「柔軟な発想力を求められている」と考えた場合のアプローチは、
- 今回の出来事をどう捉えるべきか?/視点を変えることはできないか?
- その捉え方/視点を踏まえると、持っていくものの候補にはどういったものがあるか?
- 洗い出した「候補」のうち、一番突飛なものは何か?
という感じになるかと思います。
それぞれ見ていきましょう。
共通:前提認識を合わせる
「どんな無人島をイメージするのか」という前提を揃えないと議論が噛み合わないことが容易に想像できるため、まずは前提を揃えましょう。
一方で、この前提の設定は結構難易度高いです。
例えば、
ヤシの木が生えている南の島のイメージ!
とテキトーに設定したとして、面接官に
なんでその設定なんですか?
自分達に有利な設定にし過ぎじゃないですか?
と聞かれた時に、返答に詰まってしまいます。
なので、一定の納得感がある設定にする必要があるのですが、色々考えたところ、「日本と同じような無人島」という設定が一番無難かなぁと思いました。
つまり、「日本と同じような無人島」なので、
- 森と川で構成されていて、
- 生息している動物も熊・鹿・猪・猿・鳥などで
- 生えている植物も日本と同じで
- 気候も日本と同じ
といった感じになります。
また、無人島に行くとして、「どういう目的で行くのか」、「何がゴールなのか?」ということもはじめに考えた方がいいと思います。
少なくとも、
- 無人島でサバイバル生活していくことを目指すのか
- 無人島から脱出することを目指すのか
は揃えておかないと、議論が噛み合わないでしょう。
どちらにするかは、グループで議論して決めればいいと思いますが、「無人島から脱出する」を選んだとしても、ある程度の期間は無人島でサバイバルすることを前提にした方がいいと思います。
前提認識の擦り合わせはこのくらいにして、
- 緻密な論理力を求められている
- 柔軟な発想力を求められている
のそれぞれの検討イメージを見ていきましょう。
「緻密な論理力を求められている」と考えた場合
「緻密な論理力を求められている」と考えた場合のアプローチは、
- 無人島での生活は具体的にどういったものになるか?
- 無人島の生活において、自力では対応できないであろう部分はどこか?
- その「自力では対応できないであろう部分」に対応するために、どういったものを持っていくべきか?
ですね。
このアプローチに沿って、色々考えていけばいいと思いますが、個人的にポイントになると思っている点をいくつかご紹介します。
ポイント1:気候
まず、今回の舞台設定が「日本と同じ気候の無人島」なので、四季(特に冬)や台風があることが1つ目のポイントになると思います。
これを意識しないと、
無人島での具体的な生活を考えてみよう!
となった時に、自然と「晴れた夏の無人島」を想像してしまいがちですが、おそらく「晴れた夏」は一番生存が簡単なシチュエーションです。
防災訓練とかでも同じですけど、この手の検討は、一番厳しいシチュエーションをベースにしないと意味がありません。
なので、「雪の降る冬」を想定し、
長靴がないと足が凍傷になるな…
とか、
冬は食べ物をどうするんだろう?
といった検討をしていくのが基本になると思います。
ポイント2:アナロジー
次に、「アナロジーを積極的に使おうとするかどうか」が2つ目のポイントになると思います。
私は、ディスカバリーチャンネルが好きで、YouTubeのディスカバリーチャンネル公式アカウントがあげている動画をよく見るのですが、その中の人気シリーズに「ザ・秘境生活」というものがあります。
これは、
「元イギリス陸軍のエド・スタフォードが、熱帯雨林や砂漠などに何も持たずに行き(=ナイフなどはもちろん、服も持たず全裸で行き)、10日間のサバイバル生活をする」
というものです。
その中で、エドは毎回、
サバイバルで確保しなければいけないものは、
- ファイヤー(火)
- ウォーター(水)
- シェルター(雨・風から身を守る住居)
- フード(食料)
の4つだ!
今回の舞台だと、特に「ウォーター」が重要になるから、他のものは全て後回しにして水を探す!
みたいな感じでテキパキと動いていきます。
この動画シリーズを見たことがある人が、グループディスカッションで、
無人島生活でも、火、水、住居、食料が揃っていれば最低限生きていける!
と主張する可能性がありますが、本当にこれだけで良いのでしょうか?
ここでアナロジーを使いましょう!
例えば、極限状態のアナロジーとして、「大地震があった後の被災地」を考えてみるのはどうでしょう?
被災者が、避難所に集まって雨・風から身を守り、炊き出しなどを食べているシーンはよく見ますが、同時に、
被災者の精神的なケアが求められています
みたいなニュースも見たことはないでしょうか?
つまり、食料とかが揃っているだけでは生活できるかというとそうではなく、精神的なケアが必要ということです。
無人島の生活でも、このアナロジーを生かし、「精神的に落ち着けるもの」を持っていくべきか検討すべきでしょう。
本とかでもいいかもしれませんし、もしかしたら犬などのペットを持っていくのも手かもしれません。
「柔軟な発想力を求められている」と考えた場合
「柔軟な発想力を求められている」と考えた場合のアプローチは、
- 今回の出来事をどう捉えるべきか?/視点を変えることはできないか?
- その捉え方/視点を踏まえると、持っていくものの候補にはどういったものがあるか?
- 洗い出した「候補」のうち、一番突飛なものは何か?
ですね。
こちらは、「今回の出来事をどう捉えるべきか?/視点を変えることはできないか?」をどう考えるかがポイントになると思うので、具体的なイメージを挙げていきたいと思います。
捉え方1:「お金を稼ぐ/有名になるチャンス」
まず、無人島でサバイバルすることを、「お金を稼ぐ/有名になるチャンス」と捉えることもできると思います。
無人島で奮闘して生活している姿をYouTubeなどで公開できたら、それなりに再生回数を稼げると思います。
なので、こういう場合は「動画撮影のセット」みたいなものを持っていくという方向性になると思います。
捉え方2:「人体実験のチャンス」
次に、無人島でサバイバルすることを、「人体実験のチャンス」と捉えることもできると思います。
無人島で生活していく中で、身体や精神にどんな影響が出るかを事細かに記録していけば、医学的にも社会学的にも学術的に価値のあるデータが取れるのではないでしょうか。
なので、こういう場合は、日記を書くための「ノート」や、体重の増減を図るための「体重計」みたいなものを持っていくという方向性になると思います。
捉え方3:「バカンスのチャンス」
あとは、身もふたもないですが、無人島でサバイバルすることを、「バカンスのチャンス」と捉えることもできると思います。
無人島に「クルーズ船」と「その運転者」を持っていけたら、無人島と日本を往復できますし、別荘みたいな扱いにできます。
究極的には、「どこでもドア」を持っていく、というアイデアもあります。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
お仕事の参考になれば幸いです!