こんにちは!
今回はフェルミ推定の具体例についてご紹介します。
お題は「マッサージ店の市場規模は?」です。
今回も、制限時間10分で私が考えた回答を文字起こししていきます。
フェルミ推定については、以前記事を書きましたので、ご参考にしていただければ幸いです。
では、早速いきましょう!
イメージを膨らませる
まずは、いつもの通り、「妄想」してイメージを膨らませましょう。
今回のお題は「マッサージ店の市場規模は?」ですね。
とりあえず、
マッサージにはどんな種類があるかな?
と考えると、
- 指圧や足つぼとかエステとかがメジャーかな?
- 整体・整骨とか種類があるけど、差はよくわからないんだよなー
- 鍼とかもあるよね。
ただ、ここは省いていいんじゃないかな。業態が違いすぎると思うし。 - マッサージ機とかも売られているけど、今回は「マッサージ店」が対象だから、マッサージ師が提供するものだけ考えればいいだろう
- エロい系の風俗的なマッサージは、当然除外ということで
とかでしょうか。
また、
マッサージってどんな場所で提供されているだろう?
と考え、思いつくことをどんどん挙げていくと、
- マッサージ店
- デパートの一画
- ホテル・旅館
- 自宅に訪問する場合も?
といったことが思いつきました。
ホテル・旅館や自宅に派遣されるパターンも、どこか近くのマッサージ店からマッサージ師が派遣されてくるんでしょうから、マッサージ店の市場規模に含める必要があるんじゃないでしょうか。
イメージを膨らませるのはこれくらいにして、具体的な検討に入っていきましょう。
最初の立式
では、イメージも膨らませましたし、本格的な検討に入っていきましょう。
特に最初の立式は、複数案出して、比較することが大事です。
A:マッサージ店の市場規模 = マッサージ店の数 × 年間平均売上@1店
B:マッサージ店の市場規模 = マッサージ師の数 × 年間平均売上@1人
そして、
どちらの計算式がいいだろう?
と考えましょう。
個人的には、Bのほうが良いと思います。
というのも、「色々イメージを膨らませる」のところで出た通り、ホテル・旅館・自宅などへ出張マッサージに行くパターンも存在すると思うので、マッサージ店をイメージして計算するとズレが生じるおそれがあると考えたからです。
なので、以降はBの計算式で検討していきます。
フェルミ推定の計算式については、以前記事を書きましたので、ご参考にしていただければ幸いです。
数字を置こう
B:マッサージ店の市場規模 = マッサージ師の数 × 年間平均売上@1人
をベースに、
数字を置ける変数はあるかな?
と考えると、「マッサージ師の数」は置ける気がします。
職業別の人数でいうと、
- 警察官の人数は30万人ほど
- 画家などの美術家は5万人ほど
- 芸能人は2.5万人ほど
だったと記憶してます。
マッサージ師が警察官ほどいるとは思えないですし、芸術家よりは多いと思うので、10万人くらいだと思います。
なので、「マッサージ師の数」は10万人と置きましょう。
一方、「年間平均売上@1人」については、皆目見当がつかないので、さらに分解していきましょう。
フェルミ推定の数字の置き方については、以前記事を書きましたので、ご参考にしていただければ幸いです。
また、フェルミ推定に当たり、覚えておいた方がいい数字についても以前記事を書きましたので、ご参考にしていただければ幸いです。
さらに分解&数字置き
では、「年間平均売上@1人」をさらに分解していきましょう。
まず、
年間平均売上@1人 = 1日に対応する顧客数 × 支払額@1顧客 × 営業日数@1月 × 12ヶ月
さらに、
1日に対応する顧客数 = 業務時間@1日 ÷ マッサージ所要時間@1回 × 稼働率
という感じかと。
そして、変数ごとに数字を置けるか考えると、
- 支払額@1顧客:
安ければ2500円、高ければ1万円とかでしょうか。間をとって5000円と置きます。 - 営業日数@1月:
20日と置きます - 業務時間@1日:
8時間でしょう - マッサージ所要時間@1回:
30分〜120分と幅があると思いますが、基本的に1時間くらいじゃないでしょうか - 稼働率:
ここは大事なので詳細を後述します
といった感じかと思います。
ポイントとなる変数の数字置き
「稼働率」は、ポイントになる変数だと思いますので、丁寧に算出したいと思います。
以前、マッサージ店にいった時に、マッサージ師の方から聞いたんですが、
- マッサージ師は歩合制が多い(契約社員の人が多いらしい)
- 昼はシフトに入れられる人が少なく、夜は多い
とのことでした。
つまり、マッサージ店側は、「需要に応じて、マッサージ師を雇い、シフトを組んでいる」ということだと思います。
なので、マッサージ師の方が8時間働いた時に、
稼働率が10%だった…
みたいなことはないと思います。
歩合制なのに稼働率10%とかが連発したら、生活できませんからね。
なので、マッサージ師の方が8時間働いた時の稼働率は、ある程度は安定しているのではないでしょうか?
多ければ100%、少なくとも50%くらいは行くのではと思います。
なので、
- 稼働率が50%のとき
- 稼働率が100%のとき
のそれぞれで、マッサージ師の「年間平均売上@1人」を出してみましょう。
「年間平均売上@1人」を計算すると、
- 稼働率が50%のときは、約300万円
- 稼働率が100%のときは、約600万円
といった感じです。
売上のうち60~70%がマッサージ師の方の取り分になると考えると、「年間平均売上@1人」の数字感はこのくらいなんじゃないでしょうか。
計算すると?
上記の計算式をまとめて計算すると、
- 年間平均売上@1人:間をとって450万円
- マッサージ店の市場規模:4500億円
となりました。
計算前には、
1000-2000億円くらいの規模感かなぁ
と思っていたので、予想より大きい数字が算出された印象です。
ただ、矢野経の調査によると、「柔道整復・鍼灸・マッサージ市場」の市場規模は9500億円程度のようですので、鍼などを除いて4500億円という数字感はそれほどおかしくないかもしれません。
計算のテクニックについては、以前記事を書きましたので、ご参考にしていただければ幸いです。
オススメの書籍
今回の記事に関連したオススメの書籍は以下の通りです。
『フェルミ推定の技術』
おわりに
いかがでしたでしょうか?
お仕事の参考になれば幸いです!
ケース問題として、「マッサージ店の売上を1.5倍にするには?」についても記事にしておりますので、ぜひご一読ください!