グループディスカッション

GDの具体例:モノ消費からコト消費に変わらなければいけないものは?

こんにちは。
今回も初心者向けにグループディスカッションの具体例を記事にしてみます。
お題は「モノ消費からコト消費に変わらなければいけないものは?」というものです。

このお題は、

最近どんなケース問題が出てるんだろ

とググっていたときに見つけたお題です(某戦略ファームが出題したらしい)。

では、いきましょう!

とりあえず問題文についてちょっと考えたい

この手の問題は30秒で良いので問題文について考えておいた方がいいです。

今回のお題は、「モノ消費からコト消費に変わらなければいけないものは?」ですね。

とりあえずパッと思いつくこととしては、

ある人

「モノ消費からコト消費」の定義ってなんだろ?

二次産業から三次産業に移行したという意味か?

オーディオを製造していたソニーが音楽レーベル(コンテンツ)にも進出するなど、すげー昔から「周辺領域への進出」が存在しているが、それは「モノ消費からコト消費」に当たるのか?

ある人

「変わらなければならないもの」ということは、「モノ消費のままだとマズいもの」ということだろう。

つまり、「別にモノ消費のままでも生きていけるビジネス」は対象じゃないだろう。

といった感じですかね〜

なので、「モノ消費からコト消費」の定義としては、

  • これまで商品を販売していたところが、その商品を前提としたサービスを販売するようになること

と言ったところでしょうか。

なので、「Appleが、Mac/iPhoneの製造だけでなく、Mac/iPhone上で動くiTunesなどを提供する」は定義に該当しますが、

  • ソニーがオーディオ機器製造だけでなく、音楽レーベルに進出する
  • 自動車メーカーが自動車保険に進出する

は定義に該当せず、ただの「周辺領域への進出=多角化経営」ということになります。
自社の商品が前提になっていないからです(ソニーのミュージシャンの曲は、ソニー以外のオーディオでも聴ける)。

定義を考える上で大事なのは、とにかく具体例を挙げて、「これは当てはまるが、これは当てはまらない」と整理することです。
面接官にしろ上司にしろ、定義の案を聞いた人は、

面接官

その定義だと、何が該当して、何が該当しないの?

とまず質問してきます。

学術的な定義を覚えているかどうかはどうでもいいので、具体例を踏まえて自分の頭で考えましょう。
ケース問題の目的は「あなたはどう考えますか?」を問うことなので。

ただし、定義ははじめからキッチリ考える必要はなく、フワッと設定するくらいで大丈夫です。
検討を進める中でブラッシュアップしていきましょう。

では、中身の検討に入りましょう!

まずはアプローチを考える

この手の概念的な問題は、まずは「考えるプロセスを考える」が重要です。
つまり、まずはアプローチを考え、それに沿って中身を考えていくことになります。

これは、

  • コンサルの実務でいうと「論点設計/イシューレイズをする」
  • 研究の世界でいうと「リサーチクエスチョンを立てる」

と言われるフェーズですね。

皆さんはどのように設計しますか?

私は以下のように設計してみました。

今後はこの1,2,3の流れに沿って検討していきます。

グループディスカッションの進め方については、以下の記事でご紹介しておりますので、ご参考にしていただければ。

【初心者向け】グループディスカッションの考え方【理想的な会議の進め方】 こんにちは! 今回はグループディスカッションの対策について記事にしてみます。 学生時代からグループディスカッション(=GD...

“モノ消費” から “コト消費”に変わった事例

ではまず「1. “モノ消費” から “コト消費”に変わった事例として、どういったものがあるか?」という問いを考えていきます。

思いつく限りどんどん列挙していくと…

  • タイヤを製造していたブリジストンが、タイヤにセンサーをつけて、減耗をモニタリングするなどのサービスを始める
  • 農業機械を製造していたコマツが、農業機械にセンサーをつけて、故障の事前感知や、故障発生時の速やかな対応を提供するサービスを始める
  • ただスイーツを売っていた飲食店が、インスタ映えを意識したスイーツを作って提供する
  • 中古物件を扱っていた人たちが、古民家として提供する
  • 服を売っていた人たちが、服ではなくファッションコーディネートを売る
  • 伝統工芸品を売るのではなく、伝統工芸品の製作体験を売る
  • AppleがMac /iPhoneといったデバイスだけでなく、iTunesなどのサービスも提供する
  • 映像を制作したいたメーカーが、SVODサービスを提供する

などを思いつきました。

こういう時は、間違いを気にせず、うろ覚えでいいので、たくさん列挙することが大事です。

そもそも「ケース問題=仮説構築」なので、仮説の段階では間違いが入っていても大丈夫です。
仮説を構築した後、実際に事例調査などをして、修正していけばいいだけなので。

面接官とかもそこはキチンと理解していて、

面接官

それは事実誤認だよね?

おかしいでしょ!!

なんて言いません(そんな面接官がいたら、そんな会社に入ってはいけません)。

通常だと、

面接官

そこは事実誤認で、◯◯が正しいです。

この事実を踏まえると、あなたの仮説はどう修正すべきですか?

と聞いてきますので、そこでしっかり考え直せば大丈夫です。

事例の列挙としてはこんな感じにして、次のステップに進みましょう。

ここで全てを洗い出そうと頑張るのではなく、「そこそこできたら次のステップにどんどん進んでいき、時間が余ったら前のステップに戻って完成度を挙げていく」という形にした方がオススメです。

事例のグルーピング

次に、「2. それらの事例を ”モノ消費から変わった理由” の観点でグルーピングすると、どんなパターンが出てくるか?」という問いを考えていきます。

私の方でざっとグルーピングしたところ、以下のようになりました。

1つ目は「コモディティ化への抵抗」です。

単純にその製品を販売しているだけだと、価格競争に巻き込まれる等により売上の増加が見込めないため、”コト消費”に移行するというパターンです。
タイヤメーカーのIoTサービスや、伝統工芸品の製作体験、服のコーディネートなどが該当すると思います。

2つ目は「高付加価値製品の更なる差別化」です。

製品自体は高付加価値ですぐにコモディティ化するものではないが、”コト消費”に移行して更に差別化し付加価値をつけようというパターンです。
農業機械のIoTサービスや、インスタ映えを意識したスイーツ、AppleのiTunes、服のコーディネートなどが該当すると思います。

3つ目は「新たな業態の出現への対応」です。

これは、自ら””コト消費”に移行したというよりは、世間が求めているので(やむをえず)”コト消費”に移行しなければいけないというパターンです。
コモディティ化が顕著ではないものの、新業態があまりに人気なので、そちらに移行せざるを得ないというイメージです。
古民家としての提供や、映像メーカーのSVOD進出などが該当すると思います。

このステップ(事例のグルーピング)は、腕の見せ所です。

ありがちなツマらないグルーピングではなく、面白いグルーピングを是非したいところです。

なので、どんなグルーピングができるかは、色々アイデアを出して比較したいです。

今回の私の案は、結構ツマらないグルーピングになってしまいましたね…

結構ツマらないグルーピングになってしまいましたが、このくらいにして次のステップに進みましょう。

「変わらなければいけないもの」の絞り込み

次に、「3. それらのパターンのうち、変わることがマストだったものは?」という問いを考えていきます。

前述した

  • コモディティ化への抵抗
  • 高付加価値製品の更なる差別化
  • 新たな業態の出現への対応

のうち、「変わらなければいけないもの」に該当するものはどれでしょうか?

説明は不要かもしれませんが、コモディティ化への抵抗新たな業態の出現への対応だと思います

「高付加価値製品の更なる差別化」については、高付加価値製品である時点で”コト消費”への移行はマストではないと思います。

ですので、このケース問題のお題は「モノ消費からコト消費に変わらなければいけないものは?」だったので、私の回答は、

  • タイヤメーカーのIoTサービスや、伝統工芸品の製作体験、服のコーディネートなどが該当する「コモディティ化へ対応しなければいけないビジネス」
  • 古民家としての提供や、映像メーカーのSVOD進出などが該当する「新たな業態の出現に対応しなければいけないビジネス」

になります。

おわりに

以上です。

いかがでしたでしょうか?

結構つまらない回答になってしまったので、回答例としてはイマイチかもしれませんが、一応このブログは初心者向けを目指しているので、ご容赦いただければと…!

初心者の方はぜひご参考いただければ幸いです!