こんにちは!
今回は、ケース問題の具体例についてご紹介します!
お題は、「通信が隆盛している中で、放送は今後どう変わっていく?」です。
自分の専門領域では全くないので、今ある知識だけで考えてみます。
逆にいうと、事実誤認があるかもですが、
ケース問題ってこんな感じで解いていくんだ〜
というイメージを持っていただくことが本記事の趣旨なので、ご容赦ください。
では、早速いきましょう!
何を考えればいい?
今回のお題は、「通信が隆盛している中で、放送は今後どう変わっていく?」ですね。
いきなりこの問いに答えようとするのは勝算が薄いので、分解して考えます。
このお題を分解していくと、
- 放送は、通信と比較した時に、何ができて、何ができないか?
- 放送を取り巻く環境はどう変化しているか?
- それらの変化をまとめると、放送は今後どう変わっていきそうか?
という感じになるかと思います。
放送は、通信と比較した時に、何ができて、何ができないか?
では、「放送は、通信と比較した時に、何ができて、何ができないか?」を考えていきましょう!
思いつくことを挙げていくと、
- 放送は電波なので、通信と異なり、災害時にも通ります。
東日本大震災の時に、携帯電話は使えなくなったけど、テレビやラジオは映った記憶があります。 - 通信は、いわゆるリクエスト&レスポンスで、ユーザーから要求しないと届きません。
放送は一方的にユーザーに届かせることができます。 - 通信は、現在地やパーソナルデータに沿ってコンテンツを出し分けることができます。
放送は基本的にできません。
と言った感じかと思います。
上記を踏まえると、「絶対届けなければいけない情報には放送が向いてる」ということが言えそうです。
ここで、
絶対に届けなければいけない情報って何かなぁ
と考えると、
- 災害情報
- 安保情報(北朝鮮のミサイル発射など)
- 事故情報(交通など)
- 公安情報(「通り魔が逃げてます」など)
といった感じでしょうか。
この論点の検討はこのくらいにして、次の論点に進みましょう。
放送を取り巻く環境はどう変化しているか?
では、「放送を取り巻く環境はどう変化しているか?」を考えていきましょう!
ここでは、
- ユーザー
- 放送事業者
のそれぞれの観点から変化を見ていくことにしましょう。
ユーザーはどう変化しているか?
パッと思いつくことを列挙していくと、
- テレビを持たない人が徐々に増えています。
- 一方で、スマホでYouTube等を見る人は増加しています。
- 少子高齢社会により、子どもの割合が減り、シニアの割合が増えています。
- 地方では人口が減少していますが、東京の人口は増えています。
という感じかと思います。
「放送はシニアが視聴していて、インターネットは若者」って感じの住み分けでしょうかね。
事業者はどう変化している?
パッと思いつくことを列挙していくと、
- テレビの広告費よりもネットの広告費の方が規模が大きくなっています。
- テレビ番組の制作費が縮小しています。
- 番組の内容も自主規制が多くなっている一方で、インターネットでは自由な番組づくりができています。
- 現在は民放が一緒になってTVerとかをやってますね。
という感じかと思います。
それらの変化をまとめると、放送は今後どう変わっていきそうか?
では、「それらの変化をまとめると、放送は今後どう変わっていきそうか?」を考えていきましょう!
まず、ユーザーがスマホに流れている以上、放送事業者も通信領域に乗り出して行かざるを得ません。
そもそも、放送と通信は、コンテンツを流す手段でしかないので、一つの手段にこだわっていても意味がありません。
ただし、放送事業者が通信に移行すると、現在のビジネスモデルの変更が必要になります。
例えばYouTubeとかに民放の番組を流すと、再生回数などに応じてGoogleから広告費を分配してもらえます。
つまり、放送事業者は、広告主から直接広告費を受け取れなくなり、Google経由で広告費を受け取ることになります。
一方で、いまだにテレビは力を持っていますので、こちらも引き続き取り組むべきでしょう。
ただし、テレビコンテンツを作るための原資も制作プロセスも制約が厳しくなっており、コンテンツの質を一定以上に保つためには、絞り込みをする必要がありそうです。
視聴率を稼ぐという意味だと、割合の大きくなっているシニアを狙うことが素直かと思います。
逆にいうと、割合が小さくなっている子どもを狙う番組(教育番組など)は、縮小していくことになるでしょう。
最終結論は?
放送は、絶対に流さなければいけない情報(災害や政治報道など)と、シニア向けの番組を中心としたものになっていきます。
そして放送事業者は、同時にネットに進出し、コンテンツメーカーとしてYouTube等にコンテンツを卸し、再生回数等に応じて収益をあげることになります。
再生回数を増やすためには、ユーザーに刺さるような尖ったコンテンツを作る必要があります。
このため、「ローリスクローリターンな放送事業で原資を集め、ハイリスクハイリターンな通信事業に投資をしていく」という形になるのではないでしょうか。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
ケース問題のイメージ醸成に貢献できれば幸いです。